2020年10月掲載

コロナ禍における、この冬の備え

感染管理認定看護師 砂辺 彩

  • コロナ禍における、この冬の備え
  • 昨年2019年12月以降、中国の湖北省武漢市で原因不明の肺炎が流行し、その後新型コロナウイルスによる感染症であることが判りました。その新型コロナウイルス感染症は今や世界各地に感染が広がり、日本国内でも猛威を振るっています。

    新型コロナウイルスの流行で、今まで以上に感染対策に気を配っているところだと思いますが、これから、例年流行するインフルエンザの時期を迎えます。そこで今回、新型コロナウイルスとインフルエンザの症状、潜伏期間、感染経路、感染の予防策などをまとめました。

新型コロナウイルス インフルエンザ
症状

主な症状

発熱、乾いた咳、全身倦怠感

その他の症状

痛みや鼻づまり、頭痛、結膜炎、喉の痛み、下痢、味覚・嗅覚障害、皮膚の発疹、指やつま先の変色など

主な症状

発熱(通常38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感

その他の症状

筋肉痛、関節痛、咳、鼻汁、下痢、腹痛、食欲不振など
潜伏期間 1~14日(平均 5~6日) 1~3日
感染経路 飛沫感染、接触感染 飛沫感染、接触感染

飛沫感染

感染している人のくしゃみや咳で出るしぶきを吸い込むことによる感染。くしゃみや咳を浴びる距離(2m程度)にいる人は感染の危険性が高い。

接触感染

感染している人の唾(つば)や鼻みずが手から手へ、あるいはドアノブやつり革などを介して手に付着することなどによる感染。
予防策 ・手洗い(手指消毒)の徹底
・相手との距離を保つ
・人込みを避ける
・マスクの着用(咳エチケット)
・定期的な換気
・手洗い(手指消毒)の徹底
・相手との距離を保つ
・人込みを避ける
・マスクの着用(席エチケット)
・定期的な換気
・ワクチンの接種 ※1

比べてみると、感染経路や予防策がほとんど変わらないことが判ると思います。しっかり対策を行い、新型コロナウイルスもインフルエンザも予防して、この冬に備えましょう。

※1 インフルエンザワクチンに関しては、感染や発症そのものを完全には防御できませんが、重症化や合併症の発生を予防する効果は証明されており、高齢者がワクチンを接種すると、接種しなかった場合に比べて、死亡の危険を1/5に、入院の危険を約1/3~1/2にまで減少させることが期待できるといわれています。

【引用・参考】
厚生労働省HP(最終閲覧日:2020年9月30日)
WHO HP(最終閲覧日:2020年9月30日)
国立感染症研究所 HP(最終閲覧日:2020年9月30日)
富士フイルムHP(最終閲覧日:2020年9月30日)