2020年8月掲載

2020年8月1日より、
脳卒中ケアユニット(SCU)が
オープンしました!

脳卒中リハビリテーション認定看護師 中村 隆之

脳卒中ケアユニット(SCU;Stroke Care Unit)とは

  • 2020年8月1日より、脳卒中ケアユニット(SCU)がオープンしました!SCU室
  • 脳卒中の3疾病である「脳梗塞」、「脳出血」、「くも膜下出血」が対象で、厚生労働大臣が定める施設基準を満たし、脳卒中の専門の医師、看護師、リハビリテーション療法士らの専門チームにより、発症早期から集中的に治療する脳卒中専用の病棟で入室期間は最大で14日間と定められております。 SCUでの治療により死亡率および再発率の低下、在院期間の短縮、自宅退院率の増加、長期的なADL(日常生活動作)とQOL(生活の質)の改善を図ることができると強く推奨されており、当院での専用病床は9床になります。

近年の脳卒中に対する計画の動向

「脳卒中・循環器病対策基本法」が2018年12月に成立され、以下の基本理念が謳われております。

  1. 脳卒中の予防及び脳卒中を発症した場合の迅速かつ適切な対応に関する知識の普及及び啓発を図ることにより、これらの重要性に関する国民の理解と関心が深まるようにすること。
  2. 脳卒中を発症した疑いがある傷病者の搬送及び医療機関における当該傷病者の受入れの迅速かつ適切な実施並びに脳卒中患者に対する良質かつ適切なリハビリテーションを含む医療(以下単に「医療」という。)の迅速な提供、脳卒中患者及び脳卒中の後遺症を有する者に対する日常生活の支援を含む福祉サービスの提供その他の脳卒中に係る保健、医療及び福祉に係るサービスの提供が、その居住する地域にかかわらず、かつ、継続的かつ総合的に、行われるようにすること。
  3. 脳卒中に関する専門的、学際的又は総合的な研究を推進するとともに、脳卒中に係る予防、診断、治療、リハビリテーション等に係る技術の向上その他の研究等の成果を普及し、活用し、及び発展させること。

また、日本脳卒中学会と日本循環器学会が連携し、2016年に「脳卒中と循環器病克服5カ年計画」を発表し、そのなかで「医療体制の充実」を掲げ、条件を満たす医療機関を「一次脳卒中センター」と「包括的脳卒中センター」に認定する制度を創設しています。

法律の制定と学会が打ち出している計画により、近年では脳卒中に対する医療計画も含めて医療の整備が更に進んできています。当院も「一次脳卒中センター」の認定を受けておりますが、更に診療体制を高めるべくSCUの開設へと至りました。

急性期脳卒中に対する初期診療


  • SCUチームスタッフ
  • 脳梗塞の発症4.5時間以内に対してrt-PA療法(血栓溶解療法)が行なわれ、投与後より厳密な管理がSCUで集中的に始まります。また、早期に行うほど良好な転帰が得られる血管内治療(機械的血栓回収療法)も当院は24時間対応が可能となっています。

    当院では本年より回復期リハビリテーション病棟も稼働しており、脳卒中に対して急性期から回復期まで一貫した治療を提供できる体制が整いました。

    より患者さんのためにSCUスタッフ一同、一丸となって診療・治療・看護にあたりますので、宜しくお願い致します。