2019年7月掲載
不妊治療と仕事の両立を目指して
不妊症看護認定看護師 米田 泉
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女性が社会で活躍する機会も増え、晩婚化を背景に不妊治療をうける夫婦が増加しています。女性が妊活する時期は、仕事が充実する時期と重なり、不妊治療と仕事の両立を図ることが難しくなります。
女性にとっての妊娠適齢期は20~34歳です。しかし妊娠・出産の適齢期は待ってはくれません。したがって、不妊治療を希望したときから、仕事との両立に目を向け、受診のタイミングや病院選びを夫婦で話し合うことが大切です。
当院の不妊治療への取り組み
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当院では、体外受精などの高度生殖医療を受けることを考えているカップルに対して、治療の流れや副作用、料金などをわかりやすく説明し、カップルの治療に関する自己決定のための相談や、通院の回数や所要時間、仕事との調整などの相談に応じています。
また体外受精に伴う連日の注射をご自宅で行えるように指導を行い、患者様の通院負担の軽減を図っています。(自己注射については、こちらから)
その他に、不妊カウンセリングも実施しております。
不妊治療は女性の月経周期に合わせて治療を行います。予定通りに月経が来るとは限らないため、急な受診が必要だったり、連日の注射によって発育した卵胞をチェックするための受診が数回必要で、採卵する日は直前に決まります。
急な受診が多くなる不妊治療では、職場に理解してもらうことが大切です。
最近は、企業の理解も進み、不妊治療の助成や不妊休暇が取れる企業も出てきています。
不妊治療を受けることを、職場に伝えづらい方もいらっしゃるかと思います。
厚労省から、不妊治療への理解を深めてもらう目的のリーフレットや「不妊治療連絡カード」というものが作られています。これらを使って職場に伝えるのも一つの方法です。
・「不妊治療連絡カード」(厚生労働省)(サイトはこちらから)
以上のことを踏まえ、子供を望んでいるカップルは、今後の家族計画について話し合う機会をもち、適切な時期に受診し、連絡カードを活用しつつ、職場内で不妊治療への正しい理解を深めていただくためにお役立ていただければと思います。
少しでも治療に関する精神的な負担がやわらぐよう支援しております。
当院で月に一回「体外受精セミナー」を開催(要予約・参加無料)
・リプロダクションセンターHPはこちら