栄養管理科コラム

「動脈硬化予防に役立つ食事」

栄養管理科 管理栄養士 三橋

2026/7/9掲載

動脈硬化とは

動脈硬化とは、血管の壁が脂肪の沈着などにより厚くなったり、高血圧の影響やカルシウムの沈着などで硬くなったりする現象のことです。血液の通り道が狭くなり血液が流れにくくなったり、弾力性が失われて心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こりやすくなります。日本人の死因のうち、動脈硬化を一因とした脳心血管疾患で5人に1人が亡くなっています。

動脈硬化を起こしやすい要因は、脂質異常症や高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどです。できるだけ早く若いときから要因を減らすことが大切です。動脈硬化を予防し進行させないための基本は禁煙・食事療法・運動療法です。

動脈硬化性疾患予防のための食事療法

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版では、下記の食事療法が推奨されています。

  1. 過食に注意し、適正な体重を維持する
  2. 肉の脂身、動物脂、加工肉、鶏卵の大量摂取を控える
  3. 魚の摂取を増やし、低脂肪乳製品を摂取する
  4. 未精製穀類、緑黄色野菜を含めた野菜、海藻、大豆及び大豆製品、ナッツ類の摂取量を増やす
  5. 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取し、果糖を含む加工食品の大量摂取を控える
  6. アルコールの過剰摂取を控え、25g/日以下に抑える
  7. 食塩の摂取は6g/日未満を目標にする

日本動脈硬化学会,編.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版:日本動脈硬化学会;2022より一部抜粋

さらに日本動脈硬化学会では動脈硬化予防に役立つ食事として日本食パターンの食事(The Japan Diet ザ・ジャパン・ダイエット)を推奨しています。

以上の内容のまとめを簡単に掲載します。

料理の組み合わせの基本はどうしたら良い?

毎食「主食:炭水化物」・「主菜:たんぱく質」・「副菜:ビタミン、ミネラル、食物繊維」を揃えましょう。

料理の組み合わせの基本
【参考】厚生労働省ホームページ

主食

穀類(米、パン、麺など)のうち、なるべく玄米などの精製されていないものや麦、雑穀を混ぜたものを選びます。バターやショートニング・砂糖を多く使用した菓子パンは食べ過ぎないようにしましょう。パンや麺は飯よりも食塩量が多いので注意が必要です。

主菜

脂身の多い肉(霜降り肉・ひき肉・鶏皮)や内臓物・肉加工品(ベーコン、ソーセージなど)・卵は控え、魚(特に青背魚)・大豆・大豆製品を積極的に選びます。魚卵、子持ち魚や小魚はコレステロールが多いので、とりすぎないようにしましょう。生(刺身など)、蒸す、焼く、煮る、炒める等、油の少ない料理がおすすめです。特にラード・牛脂・バターの使用は避けましょう。

副菜

緑黄色野菜、その他の野菜、海藻、きのこ、こんにゃくをしっかり食べましょう。健康日本21(第三次)では野菜の摂取目標量を1日350g以上と設定しています。1日野菜5皿以上と、海藻・きのこ・こんにゃく1皿分が目安です。主菜の付け合せや汁物に入れてとるのもいいでしょう。

  1. 果物:ドライフルーツや缶詰はビタミンCが少なくエネルギーや糖質が多いので注意が必要です。
  2. 乳・乳製品:カルシウムの補給になりますが、脂質が多いので低脂肪や無脂肪のものを選びましょう。生クリームやチーズは少量でも脂質が多いので、食べすぎには注意しましょう。
  3. アルコール:1日に日本酒1合もしくはビール中瓶1本500mlが目安です。
  4. 調味料:食塩を多く含むものが多い為、使用量を減らす、食塩の少ないものを選び薄味にしましょう。

まとめ

これらの組み合わせを基本に、適正なエネルギーの摂取と適切な体重を維持することが大切です。
適切なエネルギー量は体格や病気の状態などによって異なりますので、医師に確認してください(医師から食事に関する指示を受けている場合も、必ずかかりつけ医でご相談ください)。
今回の内容についてさらに詳しく知りたい方は、日本動脈硬化学会のホームページをご覧ください。

【出典】
日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
日本動脈硬化学会 The Japan Diet 食生活を見直しましょう
日本動脈硬化学会 動脈硬化は怖い病気のはじまり パンフレット
厚生労働省 日本人の長寿を支える「健康な食事」
厚生労働省 令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況
厚生労働省 健康日本21(第三次)について
・臨床栄養 November 2022 Vol.141 No.6
藤岡由夫 栄養・食生活と循環器疾患: 動脈硬化性疾患予防のために脂質を理解しよう ~脂肪酸(n3、n6 を 中心に)とコレステロール 日本循環器病予防学会誌 第59巻 第3号