栄養管理科コラム

「糖尿病と食事」

栄養管理科 管理栄養士 石田 彩華

2026/1/19掲載

「世界糖尿病デー」をご存知でしょうか。

  • 世界糖尿病デーイメージ
  • 11月14日はインスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日であり、糖尿病治療に画期的な発見に敬意を表してこの日が世界糖尿病デー(World Diabetes Day)として定められました。現在世界でも有数な疾患啓発の日となっており、糖尿病の予防や治療継続の重要性について市民に周知する機会となっています。

他にも近代看護教育の母と称されるナイチンゲールの誕生日である5月12日「看護の日」や臓器移植法が施行された10月16日「グリーンリボンデー」など他にも医療の記念日が制定されています。

当院でも糖尿病週間行事として毎年テーマを掲げてイベントを開催しており、2025年は11月13日に実施し多くの方に参加いただきました。

このコラムでは、栄養管理科の発表内容のまとめを掲載します。

糖尿病予防の食事

① 野菜は1日350g以上を目標にする

厚生労働省が実施した令和5年の「国民健康・栄養調査」によると、日本人の20歳以上の1日あたりの野菜摂取量の平均は256gと近年減少傾向でした。

健康日本21(第三次)では、生活習慣病の予防や健康保持・増進を目的として、「野菜摂取量の増加」を目標の一つに掲げ、その目標値を1日あたり350gとしています。

1回あたり120g以上
1日3回 1回あたり120g以上

生なら両手一杯、加熱なら片手一杯を目指しましょう。

② 早食いは血糖急上昇に繋がる

  • 早食いイメージ
  • 咀嚼回数を一口につき30回程度へ増やし、1回15分以上を目安に食事を摂りましょう。

③ 血糖値を急激に上げないようにするためには食物繊維の多い野菜や海藻、きのこなどのおかずから食べる

65歳以上の高齢者は筋肉量を低下させないよう十分なタンパク質を摂ることが大事になってきます。野菜を食べすぎて肉や魚などが食べられないとならないようベジファーストではなく、タンパク質から食べることを勧められています。

特に日本人は朝食のタンパク質摂取量が少ないので夕食にまとめて摂るのではなく分けて食べましょう。

④ 食事は1日3食規則正しく均等な量で摂取する

食事と食事の間隔は5~6時間が良いとされています。欠食して回数が減ると次の食事までの間隔も長くなってしまいますので、ドカ食いに繋がりやすくもなります。

15時のおやつ等も血糖上昇に影響しますので食後のデザートとして少量食べることをお勧めします。夕食が遅くなると食後体温が上昇し、熱によってエネルギーが消費される「食事誘導性熱産生」が朝に比べて約2倍低く、太りやすいことがわかっています。

糖尿病と体重の関係

肥満度の判定には国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index)が用いられています。

BMIの計測方法

BMI値は[体重 (kg) ]÷[身長 (m)² ]で計算できます。

BMI値イメージ

男女ともに22.0を標準とし、統計上、肥満との関連が強い糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)に最もかかりにくい数値としています。

  • 早食いイメージ
  • 肥満とは・・・体重が多いだけでなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態
    やせとは・・・体重が一定の基準を超えて減少している状態

年齢によって目標とするBMIは異なりますので一概に減らせばいいというものではありません。日本人を含むアジア人はそれほど太っていなくても血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が起こりやすいので適正体重を目指しましょう。

BMI値イメージ

体重管理は食事だけでなく運動も併せて行うことが必要です。

間食や飲酒などの嗜好品を控えめとし摂取エネルギーを減らしたり、座位より立位の時間を長くするなど意識的に消費エネルギーを増やすようにしてみましょう。

適度に運動も取り入れながらよい一年をお過ごしください。

【出典】
世界糖尿病デー
厚生労働省 令和5年国民健康栄養調査の概要
厚生労働省 健康日本21(第三次)について
糖尿病診療ガイドライン2024 食事療法
食事時刻の変化が若年女子の食事誘発性熱産生に及ぼす影響
日本肥満学会 JASSO表
厚生労働省 日本人の食事摂取基準 目標とするBMIの範囲