栄養管理科コラム

「糖質・糖類の違いはなに?」

栄養管理科 管理栄養士 保川 恵里

2022/12/30掲載

  • 糖質・糖類の違いはなに?
  • スーパーやコンビニで糖質ゼロや糖類ゼロと表記してある飲料やお菓子が売られています。

    体重コントロールをしている方や食事療法を行っている方には気になるキーワードだと思います。

① 糖質・糖類とは?

糖質・糖類とはエネルギーとなる3大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)である炭水化物に含まれます。炭水化物は単糖あるいは単糖の重合体でエネルギーになる糖質エネルギーにならない食物繊維に大きく分けられます。

糖類は糖質の一部であり、ブドウ糖・果糖などの単糖類、ショ糖・麦芽糖などの二糖類になります。

みなさんに身近な砂糖はショ糖を主成分としています。

② 糖類ゼロ・糖質ゼロとは?

栄養表示基準によりその食品100gあたり糖質が0.5g未満の場合、「ゼロ」と表記することができます。

アルコール売り場でよく見る「糖質ゼロ」と書いてある商品の栄養表示を確認してみましょう。

成分(100ml当たり)
アルコール分(度数) 6% 炭水化物 1.5~2.2g
純アルコール量(g) 4.8g 糖質 0g
エネルギー 39kcal 食物繊維 1.5~2.2g
たんぱく質 0g 食塩相当量 0~0.02g
脂質 0g プリン体 2.2㎎

エネルギーとなる糖質0g、たんぱく質0g、脂質0gですが、100mlあたり39kcalあります。
アルコールは1gあたり約7kcalあるため、エネルギーはあります。

次に「砂糖ゼロ・糖類ゼロ」とパッケージに書いてあるチョコレートの栄養表示を確認してみましょう。

栄養成分表示1本(10g当り)
エネルギー 48kcal 糖質 4.0g
たんぱく質 0.8g 糖類 0g
脂質 4.0g 食物繊維 1.0g
炭水化物 5.0g 食塩相当量 0.011g

原材料名を確認すると甘味料(アスパルテーム・L‐フェニルアラニン化合物、スクラロース)と表示されているため、人工甘味料を使用して甘味を出しています。

もちろん、脂質やたんぱく質がありますからエネルギーはあります。

商品おもて面の「○○ゼロ」という表記だけでなく、栄養成分表示も確認してから商品を選んでみてはいかがでしょうか?

【参考文献】
消費者庁ホームページ 食品表示基準
医療者のためのカーボカウント指導テキスト