栄養管理科コラム

「塩分について」

栄養管理科 管理栄養士 須山 直美

2022/7/8掲載

そもそも塩分って何?

  • そもそも塩分って何?
  • 「塩分」とは食品中に含まれている食塩相当量を示しており、「食塩」は塩化ナトリウム(NaCl)を主成分とする調味料のことを言います。日本で作られている塩は海水から作られているものが多いようです。

市販されている塩は、塩化ナトリウムの含有割合が90%以上のものが多く、ほかにカルシウム、マグネシウム、カリウムなどが微量に含まれています。これらは、「ミネラル」と呼ばれ、体内で合成することができないので、食事からとる必要があり、ビタミン同様に体に必要不可欠な栄養素になります。しかし、多くとりすぎると過剰症を引き起こし、ナトリウムの摂り過ぎは高血圧症など生活習慣病とも大きな関わりがあります。

ナトリウムの働きは、細胞外液の浸透圧の維持、筋肉や神経の興奮を抑えることです。
大量に汗をかいたり、激しい下痢をしたなどで大量にナトリウムが排泄されると倦怠感や食欲低下となります。しかし、日本人は食事から塩分を必要量以上とっているので、普通の食事では不足することはありません。過剰症では高血圧症以外にも、体のミネラルバランスが崩れむくみにもつながりますので、過剰摂取は注意が必要です。

  • 地域別食塩摂取量
  • 〇ナトリウム:1日の目標量(食塩相当量として)
    成人女性:6.5g/日、成人男性:7.5g

    高血圧症・心疾患・腎臓病がある方は重症化予防のため、1日塩分6g未満が望ましいとされています。

    ★日本人の塩分摂取が特に多いのは東北や北陸地方で9.8~10.6g/日と多く、少ない地域でも9.1g/日と目標量よりも過剰なのが分かります。

    これから気温が高くなり、日差しも強くなる季節になりますね。

    汗をかくため熱中症対策で水分と一緒に塩分補給が必要なのでは、と思いますよね?血圧が正常な人でも高血圧の人でも必要量をはるかに超えて摂取する必要はありません。汗で失われた水分を補給することは必要なのでこまめに水分補給をしましょう。

美味しく食べるための減塩のコツ

味を薄くするだけでは美味しく食事はとれないので、酸味や出汁のうまみを生かして調理しましょう。

美味しく食べるための減塩のコツ 出典:ヘルシーネットワーク
美味しく食べるための減塩のコツ 出典:ヘルシーネットワーク
【参考図書】日本人の食事摂取基準2020年版、栄養の基本がわかる図解事典:成美堂出版
【参考】日本高血圧学会画像:ヘルシーネットワーク