栄養管理科コラム

「亜鉛について~摂取量と食品~」

栄養管理科 保川 恵理

2021/11/30掲載

はじめに

ドラッグストアなどでは亜鉛のサプリメントや栄養補助食品に鉄やカルシウムに並んで亜鉛が強化されているものを目にします。今回は亜鉛についての情報をお届けします。

亜鉛とは?

体内で作ることのできない必須微量ミネラルです。体内に約2000㎎存在し、骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに存在し、さまざまな酵素の構成要素となっています。

1日の摂取量はどれくらい?

亜鉛欠乏の症状は皮膚炎、味覚障害、慢性下痢、免疫機能障害、成長遅延、性腺発育障害があります。通常の食生活では過剰摂取の心配はありませんが、サプリメントや亜鉛強化食品の不適切な利用に伴って過剰摂取が生じる可能性があります。大量の亜鉛の継続的摂取は銅の吸収阻害、鉄の吸収阻害、胃の不快感などを起こします。

1日の摂取量の推奨量、耐容上限量

〔単位:㎎〕

男性 女性
推奨量 耐容上限量 推奨量 耐容上限量
18~29歳 11 40 8 35
30~64歳 11 45 8 35
65~74歳 11 40 8 35
75歳以上 10 40 8 30

亜鉛を含む食品

  • 亜鉛を含む食品
  • 代表的なものは牡蠣ですが、魚介類や肉類のほか海藻類、野菜、豆類、種実類など、さまざまな食品に含まれます。

各食品の亜鉛量比較表

重量 亜鉛量(㎎)
60g(5粒) 7.9
牛肩ロース 60g(1回量) 3.4
豚レバー 60g(1回量) 4.1
50g(1個) 0.7
納豆 40g(1パック) 0.8
カシューナッツ 15g(10粒) 0.8
ほうれん草 60g 0.4

主菜となる食品に割と多く含まれますが、ご飯茶わん1杯(150g)0.9㎎、玄米(150g)1.2㎎、食パン(6枚切り1枚60g)0.5㎎、全粒粉パン(6枚切り1枚60g)0.8㎎と主食にも含まれます。

上記の事から、ある食品に偏ることなく、様々な食品を組み入れ、1日3食、主食、主菜、副菜をそろえた食事を心がけることが大切です。

亜鉛を含む食品