栄養管理科コラム
「カフェインについて~適量ってどれくらい?~」
栄養管理科 望月 環子
2021/10/30掲載
そもそもカフェインって?
カフェインといえば、コーヒーを思い出す方が多いのではないでしょうか?コーヒー以外にもお茶や炭酸飲料などの中にも含まれています。カフェインは医薬品として用いられることもあります。
眠気覚ましにコーヒーを飲んだり、コーヒーを飲み過ぎてトイレが近くなった経験がある方もいるのではないでしょうか?
カフェインの作用としては、覚醒や利尿作用がよく知られています。眠気防止や疲労改善、頭痛改善などを目的として薬剤に配合されていることもあります。
カフェイン摂取で起こること
カフェインは、神経を鎮静させる作用を持つアデノシンという物質と化学構造が似ており、アデノシンが本来結合する場所(アデノシン受容体)にとりついてアデノシンの働きを阻害することにより神経を興奮させます。
コーヒーは、適切に摂取すれば、がんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られていますが、カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。
長期的な作用としては、人によってはカフェインの摂取によって高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。
カフェインで中毒死!?人気のエナジードリンクは何が問題なの?
皆さんはエナジードリンクを飲んだことがありますか?CMで見かけることも多く、街中では無料サンプリングなどを行っているのを目にしたこともあります。
実は、エナジードリンクの多用により中毒死した例もあり、過剰摂取による健康への注意喚起が出されています。食品や飲料に含まれる特定成分の過剰摂取には注意が必要です。
市販されているエナジードリンクや眠気覚まし用の清涼飲料水の成分表示の多くは、100 mL当たりの濃度で書かれています。缶や瓶1本当たりにすると、コーヒー約2杯分に相当するカフェインを含むものもありますので、1日に何本も飲まないように注意しましょう。
カフェインの適量はどのくらい?
食品からのカフェインの摂取に関しては、国際機関などで注意喚起が出されています。世界保健機関(WHO)では、カフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、お茶・ココア・コーラタイプの飲料は同じくらいの量のカフェインを含んでおり、またコーヒーはその約2倍のカフェインを含んでいることから、妊婦に対しコーヒーは1日3~4杯までにすることを呼びかけています。
米国食品医薬品局(FDA)は、健康な大人では1日当たり400㎎(コーヒーでは4~5杯程度)までであればカフェインによる健康への危険な悪影響はないとしています。
なお、カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される1日当たりの摂取許容量(ADI)については、個人差が大きいことなどから、日本においても国際的にも設定されていません。
カフェインを摂取して体調不良を感じた際は、摂取量を見直した方が良いでしょう。


新百合ヶ丘総合病院の行事食
新百合ヶ丘総合病院では毎月2回行事食を提供しています。旬の食材を使用したメニューや行事にちなんだ料理を提供し季節を楽しんでいただけるようなお食事作りを心がけています。
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10月12日は「豆乳の日」。日本豆乳協会が2008年に制定しました。この日にちなんで豆乳を使用したデザートの提供を行いました。
ちなみに、無調整豆乳は糖尿病食事療法では肉や魚と同等のグループ(表3)に属しています。最近はフレーバーのついた豆乳もたくさん販売されていますが、フレーバー付きの豆乳は糖質が多いので注意しましょう。《メニュー》
・ガパオライス ・紫キャベツのサラダ ・豆乳プリン