栄養管理科コラム

「ニキビと食事の関係」

栄養管理科 望月 環子

2021/9/25掲載

  • 「ニキビと食事の関係」
  • 今月は、誰もが一度は経験したことがある「ニキビ」と食事の関係について考えたいと思います。

    そもそもニキビは、尋常性ざ瘡という皮膚の病気です。尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017に食事についての項目が記載されているのでご紹介します。

尋常性ざ瘡患者に特定の食べ物を一律に制限することは有効か?

結論からいうと、「特定の食べ物を一律に制限することは推奨しない」と記載されています。特定の食物と尋常性ざ瘡との関係は明確ではないそうです。

チョコレートや砂糖が原因じゃないの!?

チョコレートが尋常性ざ瘡の悪化因子になることは否定されている一方で、小規模ですが100%カカオパウダー負荷による二重盲検試験で、尋常性ざ瘡を誘発したとする報告もあります。治療ガイドラインではチョコレートに関してはまだまだ検討が必要と記載されています。

砂糖に関しては、尋常性ざ瘡患者で砂糖の摂取量が特に多いということはなく、砂糖とも関係しないことが示されています。

他にも、高校生の食生活と尋常性ざ瘡の有無を統計学的に解析して、尋常性ざ瘡の発症因子として牛乳について述べた研究もありますが、反論が多く検討が必要と考えられています。

食事のポイント

現時点では、「特定の食物が、尋常性ざ瘡の悪化因子であるとする明確な証拠はないため、特定の食べ物を一律に制限することは推奨しない。極端な偏食は避け、バランスの良い食事を摂取することを推奨」しています。

また、「食物摂取と尋常性ざ瘡の経過との関連性を十分に検討した上で対応することが望まれる」ことや、「特定の食事指導を推奨しない」とガイドラインには記載されています。
バランスの良い食事を心がけること、特定の食品を食べてニキビが悪化すると感じている方はその食品との関連性をよく観察してみましょう。

バランスの良い食事を実践するために食事バランスガイドを活用しましょう

食事バランスガイドは、健康な方々の健康づくりを目的に作られたものです。糖尿病、高血圧などで医師または管理栄養士から食事指導を受けている方は、その指導に従ってください。

食事バランスガイド
<参考:尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017、農林水産省 食事バランスガイドについて