栄養管理科コラム

ビタミンCや葉酸が多く含まれる「菜の花」

栄養管理科 望月 環子

2020/2掲載

今月の栄養メモ

【菜の花】

  • 新百合ヶ丘総合病院の行事食 春
  • 菜の花とは、もともとはアブラナ科の植物全般の花を意味しますが、現在野菜として流通しているのは、菜種の若いつぼみと茎を摘んだものです。

    菜の花は花が咲くと味が落ちる為、冬~春の限られた時期(12~3月頃)が旬です。 栄養面では、ビタミンC・葉酸が多く含まれています。 葉酸は、水溶性ビタミンであるビタミンB群の1種で、緑黄色野菜に多く含まれています。

【主な働き】
・造血作用→ビタミンB12と共に、新しい赤血球の生成をするために必要で「造血のビタミン」とも言われます。
・たんぱく質や細胞新生に必要な核酸(DNAやRNA)を合成→細胞増殖の盛んな胎児が正常に発育するために特に重要なビタミンです。妊娠を予定している女性および妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害という先天異常を予防するために葉酸を十分に摂取することが推奨されています。

【必要な葉酸量】…菜の花100gあたり340µgの葉酸が含まれています(1束は約200g)
・成人、高齢者→240µg/日
・妊娠中期・後期→上記に加え、付加量+240µg/日
※妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸を400µg/日摂取することが望まれる。
※多くの場合、妊娠を知るのは神経管の形成に重要な時期(受胎後およそ28日間)よりも遅い為、妊娠初期だけでなく、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性は、上記の値を摂取することが神経管閉鎖障害発症の予防に推奨されています。 [日本人の食事摂取基準2020年度版より]

【菜の花を購入する際のワンポイント】
・花が開いているものは育ち過ぎなので避けましょう
・緑色が濃く、つぼみが硬い物が良い
・茎の切り口がみずみずしいと新鮮な証拠です

<参考図書:日本食品成分表2015年版(七訂)、栄養の基本がわかる図解事典:成美堂出版、最新決定版 栄養がわかる体によく効く食材事典:学研プラス>

2月3日 テーマ「節分」

  • 新百合ヶ丘総合病院の行事食 節分

  • 【メニュー】
    ・助六寿司
    ・いわしの竜田揚げ
    菜の花おかか和え
    ・松前漬
    ・福豆

ここ数年ですっかり定番となった恵方巻きにちなんで、太巻きを提供しました(一部食種を除く)。恵方巻きは一体いつから節分の定番となったのでしょうか?気になったので調べてみました!

1970年代なかばに大阪海苔(のり)問屋協同組合がすし関係の団体と連携し、節分と関連づけて恵方巻きの販売促進活動を行ったことが普及のきっかけとなり、1977年(昭和52)ごろから関西圏を中心に広まった。1990年(平成2)ごろからコンビニエンス・ストアやスーパーマーケットなどで、節分の行事食として販売する動きが徐々に広がり、新しい年中行事の一つとして全国的に認知されるようになった。

そもそもは、江戸末期~明治初期に大阪の問屋街船場(せんば)で商売繁盛や無病息災を願って食べたのがはじまりというのが通説になっているが、諸説があり、はっきりとしたことは分かっていない。[日本大百科全書(ニッポニカ)より]

新百合ヶ丘総合病院では毎月2回行事食を提供しています。
 旬の食材を使用したメニューや行事にちなんだ料理を提供し季節を楽しんでいただけるようなお食事作りを心がけています。