栄養管理科コラム
トランス脂肪酸って、身体に悪い物なの?
2017/3掲載
トランス脂肪酸は脂肪酸の一種で、油脂を精製・加工する際にできるものです。また、それを摂りすぎると動脈硬化(冠動脈疾患)の原因になることが知られています。先進国の多くは注意喚起や表示義務・規制がありますが、日本ではまだトランス脂肪酸の基準値はありません。農林水産省実施の調査研究(2008年)の結果から、日本人1日当たりのトランス脂肪酸の摂取平均量は約1gと推定され、世界保健機構(WHO)の摂取喚起最大値2gの半分となっていたため、基準値はありません。一方食品業界ではトランス脂肪酸の低減が行われてきましたが、その反面飽和脂肪酸が増加することが分かってきました。
日本人の成人女性は半数が飽和脂肪酸の目標量を超えているので、日本ではむしろ飽和脂肪酸の摂りすぎの方が問題となっています。
<トランス脂肪酸はどんなものに使われていますか? >
①牛肉、羊肉、牛乳、乳製品などの天然の食品中と ②マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、食用調合油、マヨネーズやそれらを使用した 料理等に含まれます。
<食事は何に気を付ければ良いでしょうか? >
①生活習慣病予防の為、脂質の摂りすぎ(特に飽和脂肪酸が多い物)やカロリーオーバ
ーに気を付けましょう。(例:ファーストフード、スナック菓子、カップラーメン、 アイスクリーム、脂肪の多い肉類、
ケーキ、デニッシュ類等の菓子パンなど)
②主食、主菜、副菜の揃った、バランスの良い食事を摂るようにこころがけましょう。
トランス脂肪酸の表示について、大手企業ではウェブサイトで含有量の開示の対応も進んでいますが
まずはカロリーや脂質の摂りすぎはないかという視点から食生活をもう一度見直してみてはいかが
でしょうか。
身体に役立つ知識:じゃがいもの栄養
じゃがいもは年中出回っていますが、新じゃがは5~6月に出回る旬のもので皮ごと食べられます。
主成分はデンプンで、ビタミンB1やビタミンC、カリウムが豊富で主食にもなる野菜です。
ビタミンB1は糖質を代謝し、ビタミンCは抗酸化作用があり皮膚や骨を強くし、カリウムは余分な塩分を体外へ排出する働きがあります。
じゃがいものビタミンCはデンプンに包まれているので、保存時や加熱時に壊れにくいのが特徴です。
【新百合ヶ丘総合病院 ある日のお食事】
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平成29年5月12日(日)夕食米飯 刺身 新じゃが揚げ煮(新じゃが、グリーンピース) 酢の物