掲載日:2025年7月4日
はじめに
皆さんは、杖を使用された事がありますでしょうか。杖は高齢者や身体に傷病を有する人が、安定した歩行のために使用する福祉用具です。
今回は杖の種類や特徴について、簡単にご紹介します。
杖について
歩行補助杖は、①歩行時の患側下肢にかかる荷重(体重)の免荷(完全免荷・部分免荷)、②歩行バランスの調整、③歩行パターンの矯正、④歩行速度と耐久性の改善、⑤心理的な支えなどを目的として使用する福祉用具です。
当院で取り扱っている杖
左から順番に、以下の名前が付いています。

次に、街でよく目にするT字杖、多点杖、松葉杖の特徴について説明します。
T字杖
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T字杖は最も普及しているタイプで、特徴は地面と接する杖先が1点のものです。シンプルな形状で比較的軽量なため、高齢者がもってもそれほど負担になりません。伸縮式や折り畳み式などいろいろな仕様のものがあります。
多点杖
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多点杖の特徴は、支えてくれるポイント(支柱)が多く、安定性が高いという利点があります。しかし、段差のない平らな場所(病院やその他施設)などでは非常に便利ですが、屋外等の平坦でない場所ではかえって不安定になりやすく転倒する恐れがあります。
松葉杖
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下半身の傷病において体重を支持あるいは免荷し疼痛を軽減したり、下肢の支持力を上肢で代償する場合に用いられます。2本1組もしくは片側1本で使用します。
まとめ
杖は非常に便利な福祉用具の1種ですが、使用する者に合わせて適切な種類・サイズ・使用方法を選ばなければなりません。また、安全に使用し続けるためにも定期的なメンテナンスが必要になります。杖の種類によって購入またはレンタルが可能です。リハビリスタッフや医師などの専門家に相談の上で利用するようにしてください。
杖は適切に使用することで「第三の足」のような役割を果たし、歩行の安定や足腰への負担軽減をサポートします。適切に使用し転倒の無い日常生活を送りましょう。