バセドウ病|治療方法|糖尿病・内分泌代謝内科

バセドウ病とは

甲状腺ホルモンが過剰に作られる病気、すなわち甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気です。 甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝を高めるホルモンであるため、このホルモンの異常高値によって代謝が異常に活発になることで、心身に様々な影響を及ぼす。この自己抗体産生が引き起こされる原因は、2007年現在不詳である。過度なストレス・過労が発症・再発に関与しているという説もある。また遺伝の影響もある程度あると考えられています。

ほかの甲状腺の病気と同じように女性に多い病気ですが、その比率は男性1人に対して女性4人ほどです。甲状腺の病気全体の男女比は、男性1対女性9の割合ですから、甲状腺の病気のなかでは、比較的女性の比率が高い病気なのです。 発病年齢は、20歳代、30歳代が全体の過半数を占め、次いで40歳代、50歳代となっており、青年から壮年に多い病気といえるでしょう。

甲状腺の機能

糖尿病は、自覚症状がなく、知らない間に進行していることが多い病気です。 下記のような自覚症状がある場合は、病状がかなり進んでいる場合もあります。

  • 甲状腺の機能

  • 甲状腺ホルモンを作り、血液中に一定の量を分泌している。甲状腺ホルモンは、全身の細胞の新陳代謝を活発いする働きがあり、胎児期から子供の時期は、脳や骨格、筋肉の発達や成長に関わっている。

甲状腺ホルモンが多いと

・意欲が異常に高まる、イライラする、不眠
・脈が速くなる、動悸がする、不整脈
・疲れやすさがある、だるさがある
・暑がる、やたらと汗をかく、微熱が続く
・手が震える
・食欲が高まる、食べているのに体重が減る
・下痢、便の回数が増える

甲状腺ホルモンが少ないと

・気力が出ない、気分が沈む(うつ状態)
・脈が遅い、低血圧
・寒がり、冷え症、低体温
・むくみがある、疲れやすい、声がかれる
・眠い、物忘れしやすい
・便秘、体重が増える
・筋肉がつりやすい、皮膚がかさかさになる

バセドウ病の症状

・疲れやすい(いつもゴロゴロしている)
・手足や体のふるえ(とくに指先のふるえが目立ち、文字が書きづらくなったり、お茶をくむ時にこぼすようなこともあります)
・暑がりになり、汗をたくさんかく(いつも運動している状態)
・食欲はあるのに太らない、あるいはやせる(エネルギーの消費が激しいため)
(得に男性や年齢が高い人に多く、ひどい場合は1~2ヶ月で10kgもやせることがあります)
・下痢をしがちになる
・皮膚がかゆくなる
・筋肉が衰える
・精神的に不安定になる
・イライラする
・集中力がない
・落ち着きがない

バセドウ病の原因

甲状腺腫

甲状腺のはれのことをいいます。甲状腺腫には、2つの症状があり、

・びまん性甲状腺腫・・・甲状腺全体がそのままの形ではれる
・結節性甲状腺腫・・・部分的にしこりができる

バセドウ病の場合は、「びまん性甲状腺腫」の方になります。人によってはれの程度は様々ですが、一般的には若い人の方が大きくなりやすい傾向があり、くびの前面が全体的にふくらみ、くびが太くなったように見えます。これに対して、年をとって発病すると、甲状腺腫は小さいという傾向があります。

甲状腺腫の大きな人は薬による治療が難しく、手術や放射性ヨウ素(ヨード)治療(アイソトープ)の適応となる場合が多いようです。

びまん性甲状腺腫

眼球突出

バセドウ病による目の異常な症状をバセドウ眼症といいますが、通常、バセドウ病による眼球突出は実際にはそう多い症状ではなく、発病前と比べて、はっきりわかるほど眼が出てくる人は5人に1人ほどです。 また眼球が突出する症状がでなくても、上のまぶたがはれたり(眼瞼腫張)、まぶたが上の方に引っ張られるため目が大きくなったように見える(眼瞼後退)こともあります。

動悸など(甲状腺ホルモンの過剰)

甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にするホルモンです。 しかし新陳代謝が異常に活発であるということは、無駄なエネルギーの浪費を意味し、中でも、代表的な症状が動悸です。息切れとともに多い症状であり、患者さんのなかには、寝ていても動悸が気になって眠れないという人もいます。 これは、バセドウ病では代謝が亢進するために、普通の人よりたくさんの酸素が必要になり、じっとしていても走っているのと同じような状態にあるためです。 いつでも心臓が余分に働き、それが、動悸という自覚症状になるのです。 普通じっとしている状態では、脈拍は1分間に 60~80程度ですが、バセドウ病の患者様の場合は100を超えることもあります。ただし、高齢になると脈拍が増えないこともあります。

バセドウ病の治療

内服薬治療(抗甲状腺薬、場合によりヨウ素剤)

甲状腺ホルモンの合成を抑える薬(抗甲状腺薬)を、規則的に服用する方法で、患者さんの状態に応じて、適量の薬を飲んでいれば、1~3カ月で、血液中の甲状腺ホルモンの濃度が正常になります。そうなれば自覚症状もとれ、普通の人とまったく変わらない生活ができるようになります。 服薬治療で大事なことは、定期的に甲状腺ホルモンの量を測定しながら、適量の薬を服用することです。バセドウ病の病勢が軽い方の場合は、抗甲状腺薬の必要量が減少していきます。

アイソトープ(放射性ヨウ素)治療

放射性ヨウ素を服用して、甲状腺に集まった放射性ヨウ素の働きで甲状腺の細胞の数を減らす方法です。甲状腺細胞の数が減少すれば、分泌される甲状腺ホルモンの量も少なくなり、放射性ヨウ素を服用後、およそ2?6カ月で甲状腺ホルモンの分泌は減少してきます。手術のように傷が残らず首の腫れが縮小し、薬より早く治るのがこの方法のよいところです。

ですが、同じように治療しても細胞が減りすぎて、逆に甲状腺の機能低下を起こす場合があり、残念ながら、これを完全に防ぐことはいまのところ困難です。 しかし甲状腺の機能低下は、甲状腺ホルモン薬を服用していれば簡単にコントロールでき、甲状腺ホルモン薬自体には副作用はありません。

手術療法

過剰にホルモンを分泌している甲状腺を切除する方法で、手術は基本的に全身麻酔で行い、ホルモンの過剰産生を是正するためです。 手術療法を行う目的は、 「内服薬を必要としない甲状腺機能の正常化」ですので、これを実現するために、「甲状腺亜全摘術(適正な量の甲状腺を残し、残りの甲状腺を切除するという方法)」を標準方法として採用しています。

しかし、残す甲状腺の量が多いと機能亢進症が再発し、少ないと機能低下症になります。さらに、患者さんごとに適正な甲状腺の量は異なるため、残すべき適正な量を手術前に予測することは困難です。 一方で、機能亢進症の再発がみられる患者さんもいるので、再発は手術後何年経っても起こる可能性があり、生涯にわたり検査が必要となります。

手術療法が望ましい患者さんには、甲状腺の全て、またはほぼ全てを切除することをお勧めしています。この手術方法によって、手術後に再発することはなくなりますが、一方で全ての患者さんが甲状腺機能低下症になるため、甲状腺ホルモン薬の内服が必要となります。

甲状腺ホルモン薬を飲み続けるということに抵抗がある方もいるかもしれませんが、機能亢進症に比べて心身への負担も少ないですし、内服する量が決まれば甲状腺機能は一定になり体調も安定します。副作用の心配もなく、長期の処方も可能になりますので、通院回数も少なくなります。