栄養管理科コラム

柿の渋みと「二日酔い」について

栄養管理科 望月環子

2020/11掲載

今月の栄養メモ

【柿】

  • 新百合ヶ丘総合病院の行事食 春
  • 柿は甘味が強いですが、特有の渋み成分も含まれています。シブオールといって、タンニンの一種です。アルコールの有害な作用を抑える働きが期待でき、二日酔いの予防に役立ちます。
    水分・カリウムも含まれており、これもアルコール排出に効果があります。
    ビタミンCも豊富で1個で1日分の必要量を補えます。
    果物の適量は握りこぶし程度と言われています。何でも適量摂取が大切です。食べすぎない様に注意しましょう。

二日酔い

お酒の飲み過ぎが原因で、翌日になっても頭痛や吐き気、めまい、食欲不振、不快感などが残ることをいいます。アルコールは胃や腸で吸収された後、肝臓に運ばれてアセトアルデヒドという物質に分解されて、最終的には二酸化炭素と水になって排泄されます。
アセトアルデヒドは非常に有害な物質で二日酔いの原因になります。短時間に多量に飲むと、肝臓での処理が間に合わず、血中のアセトアルデヒド濃度が上昇し、顔面紅潮や動悸、頭痛を起こします。肝臓の処理能力を超えると二日酔いになります。

1日のアルコール上限は、糖尿病診療ガイドラインでは25g/日とされています。日本酒なら1合・ビールなら500ml・焼酎なら0.6合・ワインなら1/4本程度です。
アルコールの肝臓での処理能力には個人差があり、体重60~70kgの人で1時間に7~9gとされています。約25gのアルコールが代謝されて消失するには約3時間かかる計算となります。

年末年始でついつい飲み過ぎてしまう方はご注意ください!
お酒はほどほどに楽しみましょう。

<参考図書:栄養の基本がわかる図解事典:成美堂出版、最新決定版 栄養がわかる体によく効く食材事典:学研プラス、糖尿病診療ガイドライン2019>

11月3日 柿やさつま芋を使用した行事食

  • 中秋の名月

  • 今回は「文化の日」にちなんだメニューです。

    《メニュー》
    鮭の炊き込みごはん
    炊き合わせ

    なます
    芋ようかん

食欲の秋!ということで、この日は柿やさつま芋を使用した献立にしました。
また、彩りも秋らしく紅葉をイメージしています。芋ようかんの上にはもみじ型に型抜きした寒天を添えました。

新百合ヶ丘総合病院では毎月2回行事食を提供しています。
旬の食材を使用したメニューや行事にちなんだ料理を提供し季節を楽しんでいただけるようなお食事作りを心がけています。