栄養管理科コラム

毛細血管を強化するルチンの溶けだした
「そば」湯もいただきましょう

栄養管理科 佐藤 直美

2019/12掲載

今月の栄養メモ

【そば】

  • 新百合ヶ丘総合病院の行事食 春
  • 秋に収穫したそばの実から作られ11~12月に出回るものを「新そば」と言います。そばに含まれている栄養素として特徴的なのがビタミンPとよばれている「ルチン」です。「ルチン」は毛細血管を強化する働きがあり、歯ぐきの出血を止める効果や動脈硬化・高血圧を改善する効果もあると言われています。「ルチン」は水溶性でゆで汁に溶け出るのでそば湯を飲むとよいでしょう。

またビタミンB1も含まれており糖質・脂質の代謝を促し、エネルギーの代謝が活発になります。(そば(生) 1玉130g当たりのビタミンB1 0.25mg)

ビタミンB1:ビタミンB1は、糖質代謝に関与し疲労回復に効きます。 他に脳の中枢神経や手足の末梢神経の働きを正常に保つための役割もしています。 ビタミンB1は欠乏すると成人では食欲不振や倦怠感、ひどい場合は多発性神経炎(末梢神経が2ヵ所以上同時に冒された病気:知覚障害や運動障害,栄養障害などが現れる)などが見られます。水溶性ビタミンであるビタミンB1は過剰摂取しても体内に蓄積されずに尿などで排泄されてしまうため食べものから摂る必要があります。

*ビタミンB1が多く含まれる食材:豚肉、レバー、豆類など
*成人(妊婦・授乳婦除く)のビタミンB1食事摂取基準 推奨量:男性1.3~1.4mg/日、女性1.1mg/日  

<参考図書:日本食品成分表2015年版(七訂)、日本人の食事摂取基準2015年版、栄養の基本がわかる図解事典:成美堂出版、最新決定版食材事典:学研プラス>

12月31日 テーマ「大晦日」

  • 新百合ヶ丘総合病院の行事食 大晦日
    (写真は2018年のものです)


  • 【メニュー】
    ・そば
    ・天ぷら(エビとさつま芋のかき揚げ)
    ・カブのべっこう煮
    ・しめじと湯葉の和え物

今年もあとわずかとなってきました。年越しといえば「そば」ですが、実は年越しそばに添えると縁起の良い具があると知っていましたか?ここで少しご紹介します。

海老・・・海老の形(姿)を腰が曲がっていると捉えたことから長寿のシンボル
ニシン・・・二親(にしん)から子どもが生まれる意味合いから子宝や願掛け
油揚げ・・・油揚げは稲荷神社の守り神であるきつねの大好物であることから商売繁盛
など、みなさん思い思いの具をのせて年越しそばを食べてみて下さい。

新百合ヶ丘総合病院では毎月2回行事食を提供しています。
旬の食材を使用したメニューや行事にちなんだ料理を提供し季節を楽しんでいただけるようなお食事作りを心がけています。