2020年12月号 ドクターコラム

2型糖尿病の発症リスクと予防について

糖尿病センター センター長 岩本 安彦

2型糖尿病とは? -糖尿病の分類

糖尿病は成因(なりたち)によって、1型糖尿病、2型糖尿病、その他特定の機序、疾患による糖尿病、そして妊娠糖尿病の4つに分類されています。糖尿病でもっとも多いタイプが、2型糖尿病で「生活習慣病」の代表的なものといえます。

  • 1型糖尿病と2型糖尿病の比較(表1)出典:専門医が治す!糖尿病
    (岩本安彦 監修)
    髙橋書店 刊(2020.8)
  • 1型糖尿病と2型糖尿病の特徴を表1に示します。
    1型と2型は発症の仕方、家族歴、発症年齢、治療方針などに違いがあります。

    特定の機序、疾患による糖尿病には、膵疾患によるもの、薬剤によるもの、さらに内分泌疾患によるものなどがあります。

増加している糖尿病

  • 糖尿病、なかでも2型糖尿病は近年徐々に増加しています。
    その背景としては、「飽食の時代」といわれるような食習慣の変化による肥満者の増加があります。さらに運動不足に陥りやすい便利な生活も糖尿病をひき起こす元と考えられています。

近年の食習慣、運動習慣の変化、すなわち生活習慣の変化が糖尿病患者数の増加をもたらしていることは明らかです。

平成30年に行われた厚生労働省の国民健康・栄養調査によれば、男性では50歳代には「糖尿病が強く疑われる者」18.6%、「糖尿病の可能性を否定できない者」13.0%、60歳代にはそれぞれ24.8%、15.2%、さらに70歳以上ではそれぞれ24.6%、22.3%でした。

女性では50歳代には「糖尿病が強く疑われる者」4.7%、「糖尿病の可能性を否定できない者」13.9%、60歳代にはそれぞれ12.8%、20.8%、70歳代にはそれぞれ16.7%、25.4%と加齢とともに糖尿病とその予備群と思われる人の数は増加してきています。

2型糖尿病の発症のしくみ

  • 2型糖尿病の発症のしくみ(図1)出典:専門医が治す!糖尿病
    (岩本安彦 監修)
    髙橋書店 刊(2020.8)
  • 2型糖尿病は血糖値を低下させる唯一のホルモンであるインスリンの量が不足したり、食後のインスリン分泌のタイミングが遅れるために血糖値が高くなり発症します。

    2型糖尿病は、糖尿病になりやすい体質を持っている人に、過食、肥満、運動不足、ストレスなどの環境要因が加わって発症すると考えられています。

糖尿病を予防するには?

2型糖尿病の初期には多くの場合、口渇(のどが渇く)、多飲(よく水分を摂る)、多尿(トイレが近く、尿量が多い)などの自覚症状はほとんど現れません。したがって糖尿病の早期発見には職場や地域での健診が大切です。健診の結果、「糖尿病の気があります」「予備群(境界型)です」と判定された方は、自覚症状がなくても是非、医療機関を受診して下さい。

健診は毎回受けるけれども、受診(診療)せずに糖尿病の合併症が進行してから初めて受診する方が多いのは残念なことです。

糖尿病の「教育入院」のすすめ

新百合ヶ丘総合病院・糖尿病センター・糖尿病内科では「糖尿病教室」の1週間のプログラムを行う「教育入院」をおすすめしています。

  • 運動療法の風景
  • 糖尿病教室では、医師(糖尿病内科・循環器内科)、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師など糖尿病患者さんの治療・療養指導にあたる医師・メディカルスタッフが午前・午後 各1時間担当しています。

    勿論入院期間中は糖尿病と合併症についての診断と治療も行いますので、是非ご利用(体験)下さい。(表2)
    糖尿病教育入院についてはこちらから

(表2) 糖尿病教育入院プログラム
・糖尿病内科医師:糖尿病総論、合併症(血管合併症・その他の合併症)

まとめ

  1. 循環器内科医師:循環器疾患について
  2. 看護師:シックディ・災害時の対応、フットケア
  3. 管理栄養士:食事療法
  4. 薬剤師:薬物療法
  5. 理学療法士:運動療法