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2018年10月号 ドクターコラム

ノロウイルスについて

呼吸器外科医長 兼 感染対策室 志賀 光二郎

ノロウィルスの概要

ノロウイルスについて

ノロウイルスはヒトの小腸の粘膜で増殖するウイルスです。冬を中心に、年間を通して胃腸炎を起こします。感染経路には、カキを含む二枚貝の関与が指摘されています。原因としては、水やノロウイルスに汚染された食品、特にカキを含む二枚貝が多く報告されています。また、感染した人の便や吐物に接触したりすることにより二次感染を起こすことがあります。感染した人が用便後の手洗いが不十分なまま料理をすると、食品がウイルスに汚染され、その食品を食べることにより、感染が引き起こされるおそれがあります。

症状

潜伏時間は24~48時間で、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱が主症状です。通常3日以内で回復します。感染しても全員が発症するわけではなく、発症しても風邪のような症状で済む人もいます。
また、抵抗力が落ちている人や乳幼児では比較的少ない数のノロウイルスでも発症することがあります。

ノロウイルスについて

治療と予防

ノロウイルスについて

インフルエンザに対する抗ウイルス薬のような、ノロウイルス特有の治療薬はなく、予防が大切です。治療の基本となるのは対症療法で、脱水症状を防ぐために十分な水分補給を行い、栄養を摂りながら安静を保ちます。
予防策としては、カキなどの二枚貝は中心部まで十分に加熱してから食べましょう。85℃~90℃で90秒間以上の加熱によりウイルスは感染力を失うとされています。湯通し程度の不十分な加熱ではウイルスの感染力は失われません。また、生鮮食品(野菜、果物など)は十分に洗浄しましょう。トイレの後、調理をする際、食事の前にはしっかり手を洗いましょう。