2017年10月号

頭痛

総合診療科 科長/川島 彰人

“怖い頭痛”か”怖くない頭痛”か

冷たいかき氷を食べてキーンと頭が痛くなることがあります。しかし大抵の人はその頭痛に対してすぐに病院に行かなきゃと焦りません。なぜならこの頭痛はすぐに治るし問題ないタイプだろうとわかっているからでしょう。しかし原因がわからず頭が痛くて辛い時は、何か脳に重大な問題があるのではないかと不安になったりします。

今回のテーマは『頭痛』です。頭痛をきたす病気にはどのようなものがあり、それらの症状にはどのような特徴があるかを知ることで、過度な不安を避けられるかもしれません。今回とりあげるのは頭痛をきたす病気の一部ではありますが、注意を要する場合や比較的頻度の高い病気の特徴について解説します。

1. “怖い頭痛”かそうでないかの分け方

“怖い頭痛”とは、つまり救急車を呼んででもすぐに受診して治療を受ける必要がある場合を指します。代表的な病気として、くも膜下出血脳出血などがあります。これらを疑うキーワードとなるのが、突然の痛み今までに経験したことのない激しい痛みであり、それに加えて意識が朦朧としている急に言葉がうまく出なくなったなどの症状を伴っている場合は要注意です。特にくも膜下出血となると突然バットで頭を殴られたような感じと表現する方がいるくらいの強い痛みがあります。

2. 頭痛の他に熱がある場合は?

風邪をひいた時に節々の痛みや頭の痛みを伴った経験があると思います。『発熱, 頭痛』などをキーワードにインターネットで検索すると、脳炎や髄膜炎といった恐ろしい病名が載っているのを目にして、ただでさえ熱でだるいのに余計心配になったりします。もちろんいわゆる風邪と呼ばれる状態でも頭痛を伴うことはよくありますし、ほとんどが数日もすれば軽快するものです。ただし細菌性髄膜炎は怖い頭痛に入りますので注意が必要です。では脳炎や髄膜炎を疑うのはどのような場合かというと、発熱と頭痛に加えて嘔吐を繰り返す意識が朦朧としている首を前に曲げることが困難頭を左右に振ると痛みが増強するなどがあります。

3. 頭痛の原因として一番多い病気は?

頭痛というと片頭痛を思い浮かべる方は多いかもしれませんが、実は頭痛をきたす病気で最も多いのは緊張型頭痛といわれています。

まず片頭痛の特徴をあげてみると、ズキズキとした痛みが頭の片側に生じることが多く、頭痛の持続時間は4〜72時間以内とされています。一方で緊張型頭痛は肩や首の筋肉のこりが原因となる頭痛で、痛み方はズキズキではなく、頭を両側から締め付けられる感じの痛みです。1日のうちで疲れがたまってくる夕方以降に症状が自覚することが多く、毎日続くこともあり、症状が強いと吐き気を伴うこともあります。

一般に頭痛の原因を調べる検査としてCTやMRIといった画像検査や髄液検査などがあります。しかし片頭痛や緊張型頭痛については画像に特定の異常がみられるわけではないため、診断には検査よりもエピソードや痛みの性質などを把握することが重要になります。

頭痛を症状とする病気にもいろいろありますが、すぐに検査や治療が必要な場合や痛み止めで様子をみてよい場合などを知ることで、過度の不安を回避し適切な対応につなげることができます。しかし普段から比較的頭痛はよくあるという方でも、いつもの頭痛と違っておかしいと感じるようでしたら、安易に痛み止めだけで様子をみるのではなく医療機関への受診をお勧めします。