2018年5月号

作業療法士とは?

リハビリテーション科 作業療法士 森 久晃

『リハビリテーション』という言葉は、昨今誰もが聞いたことある言葉になってきてはいます。しかしリハビリテーションを行うにあたって、それぞれ専門のセラピストがいることは実際にリハビリを受けるまでは知ることが少ないと思います。

当院のリハビリテーション科には現在「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」といった3職種のセラピストがいます。リハビリテーション=理学療法士というイメージが強く、理学療法という言葉は聞いたことがある方が多いと思います。また、言語聴覚士は文字通り言葉のリハビリテーションというイメージがしやすいと思います。その中で「作業療法士」という言葉は触れ合う機会も少なく、文字を見てもイメージがしにくいと思います。今回「作業療法士」、「作業療法」について少しお話をいたします。

まず作業療法では、基本的な運動能力(心身機能)から、応用的動作能力(食事・トイレ・家事といった日常の生活で必要な活動)社会に適応する能力(地域への参加・就労・就学)まで3つの能力を維持・改善し、その人らしい生活の獲得を目標とします。そして作業療法士は、「作業」を通じて患者様若しくは利用者様にリハビリテーションを提供いたします。この「作業」というのは、手作業であったり、手工芸はもちろん、食事をしたり、家事をしたりといった人の日常生活に関わる全ての諸活動を「作業」と呼んでいます

例えば、脳卒中により片麻痺になってしまった場合、手足を動かす基本的な運動能力のリハビリを行い、それを基に食事・トイレ動作といった応用的動作能力のリハビリに繋げます。また、病院から自宅へ退院するに当たり、社会復帰に向けて社会へ適応する能力を身に着けるリハビリを行います。これらのリハビリを行うためには身体機能面だけではなく、「その人らしい生活」を尊重することで精神機能面においてもフォローアップを行い、心理的な部分の安定を図ることでより安心して社会復帰・社会へ参加することが出来ます。

当院リハビリテーション科作業療法士一同は、『病気やけが、障害がある方、日常生活に支援が必要なすべての人が、年齢に関係なく社会とのつながりを「作業」を通じて作っていってほしい』と願い、日々のリハビリテーションを提供しております。

病気やけが、障害がある方、日常生活に支援が必要なすべての人が、年齢に関係なく社会とのつながりを「作業」を通じて作っていってほしい