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2018年4月号

機能性表示食品と医薬品について

薬剤科 小山 永里子

サプリメントを購入しようとした時、「本当に変化を体感できるのか」「どれを買ったらいいのか」などの疑問を持ったことはないでしょうか。特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品に続く
「機能性表示食品」制度が平成27年4月より新しく始まりました。

そこで今回は、健康食品(特に機能性表示食品)の特徴医薬品との違いについてお話ししたいと思います。

機能性表示食品ができた経緯

健康意識の高まりでサプリメント市場は大規模に成長しました。以前の制度では、科学的根拠があっても商品パッケージにそれを表示できないことが、サプリメント選びに迷いを生じさせていました。「国民の健康寿命を伸ばす体制づくり」に呼応し、消費者庁がサプリメントに機能性を表示して、消費者が選びやすくなる新しい制度づくりを進めました。

機能性表示食品とは?

「おなかの調子を整える」「脂肪の吸収をおだやかにする」など、健康の維持や増進などに役立つ健康効果を「機能性」と言い、その「機能性」をパッケージや広告などに表示できる食品です。
これまで食品の機能性に関して、表示することが認められていたのは「特定保健食品(トクホ)」と「栄養機能食品」だけでしたが、平成27年に機能性表示制度という制度ができて、安全性や機能性について一定の条件をクリアすれば、企業や生産者の責任で健康効果や機能を表示できるようになりました。

特定保健用食品(トクホ)

健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。
表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。

栄養機能食品

一日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品です。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示することができます。

機能性表示食品とお薬の違いは?

医薬品は、特定の疾病や症状に対する予防や治療効果が認められているもので、認定された疾病の予防や治療効果があることを記載することができます。
機能性表示食品はお薬とは異なるため、病気の治療として用いることはできません。
例えば、糖尿病の治療をされている方が、血糖値の上昇を穏やかにする機能性表示食品を普段の食生活の一環で「食品」として取り入れることは可能です。但し、機能性表示食品を摂ることで糖尿病の治療にはならない点に注意しましょう。

特定保健用食品(トクホ)と機能性表示食品の違いは?

特定保健用食品(トクホ)は有効性や安全性について国が審議を行い、消費者庁長官が許可を与えた食品です。機能性表示食品は、有効性や安全性の根拠に関する情報等を消費者庁へ届出ることで、事業者の責任で機能性の表示をする食品です。

例えばこんな表示

  • 「○○にはルテインが含まれます。ルテインは網膜の黄斑色素密度を増やし、目の黄斑部の健康を維持することが報告されています。」
  • 「△△にはヒアルロン酸Naが含まれます。ヒアルロン酸Naは肌の潤いに役立つことが報告されています。」
  • 「□□にはDHA-EPAが含まれます。DHA-EPAには中性脂肪を低下させる機能があることが報告されています。」

機能性表示食品の利用にあたって

  • まずはご自身の食生活をふりかえってみましょう。
  • たくさん摂取すれば、より多くの効果が期待できるというものではありません。過剰な摂取が健康に害を及ぼす場合もあります。
  • 病気にかかっている方は、医師・薬剤師に相談した上で摂取しましょう。
  • 体調に異変を感じた際は、速やかに摂取を中止し医師に相談しましょう。

消費者の立場から考えると、商品の選択肢が増えることは歓迎ですが、その分、商品の正しい情報をしっかり入手し、商品を正しく選ぶことがますます重要になってきたといえるでしょう。

より詳しいことを知りたい場合には、 消費者庁のウェブサイトをご覧ください。安全性や機能性の根拠など事業者が届け出た情報が公開されています。(参考:消費者庁)