広報紙 vol.34しんゆりニュースレター

看護部は、地域の皆様が
より安心・安全な医療を受けられるよう
さらに努力してまいります

新百合ヶ丘総合病院
看護部 副院長
さとう えきこ
佐藤 エキ子
【プロフィール】
聖路加国際病院附属看護専門学校卒、明治学院大学社会学部社会福祉学科卒、米国クリーブランドクリニックETスクール修了、米国オレゴンヘルス・サイエンス看護学部修士課程修了。1986年~1995年聖路加国際病院ETスクールプログラムディレクター、2003年~2013年3月聖路加国際病院副院長・看護部長、2013年4月~2019年12月一般財団法人大原記念財団大原綜合病院特任副院長・人材開発部長、2020年1月~現職。

日本看護協会認定看護師制度委員会ワーキングメンバー、日本医療バランスト・スコアカード研究学会誌編集委員、日本看護科学学会員、日本看護管理学会員、日本創傷・オストミー・失禁管理学会名誉会員、日本褥瘡学会功労会員

2001文部科学省看護学教育の在り方に関する検討会メンバー/2002~2006日本看護協会教育委員会委員長/2006~2008日本看護管理学会理事長

看護部は、地域の皆様が
より安心・安全な医療を受けられるよう
さらに努力してまいります

新百合ヶ丘総合病院
看護部 副院長
さとう えきこ
佐藤 エキ子
【プロフィール】
聖路加国際病院附属看護専門学校卒、明治学院大学社会学部社会福祉学科卒、米国クリーブランドクリニックETスクール修了、米国オレゴンヘルス・サイエンス看護学部修士課程修了。1986年~1995年聖路加国際病院ETスクールプログラムディレクター、2003年~2013年3月聖路加国際病院副院長・看護部長、2013年4月~2019年12月一般財団法人大原記念財団大原綜合病院特任副院長・人材開発部長、2020年1月~現職。

日本看護協会認定看護師制度委員会ワーキングメンバー、日本医療バランスト・スコアカード研究学会誌編集委員、日本看護科学学会員、日本看護管理学会員、日本創傷・オストミー・失禁管理学会名誉会員、日本褥瘡学会功労会員

2001文部科学省看護学教育の在り方に関する検討会メンバー/2002~2006日本看護協会教育委員会委員長/2006~2008日本看護管理学会理事長
  • 新百合ヶ丘総合病院は令和2年4月1日付けで新棟における診療を開始いたしました。坂道を上ると、眼前にきらきらと輝くガラス張りの広いテラスが現れます。新棟の総病床数は186床です。すでに回復期リハビリテーション病棟100床(1病棟50床×2病棟)と救急病棟20床が稼働しています。また、救急センターはより広範な救急患者の受け入れが可能となり、これまで以上に地域医療に貢献できる病院になりました。

    私は令和2年1月に新百合ヶ丘総合病院に着任いたしました。私の直近の勤務先は、福島県福島市に位置する創立126周年の地域に密着した中核病院でした。私は看護職をずっと続けてまいりましたが、仕事を続けるうえで最も大切にしていることは、「利他の心」*という考え方です。この考え方は京セラの会長で哲学者でもおられる稲盛和夫先生が提唱されたものです。「利他」とは“他人への利益”を考えることです。それに対して「利己」とは“自分の利益だけを判断基準に考える”、つまり自分さえよければ、という考え方を指しています。「利他の心」を換言すると「思いやりの心」ということばになり

  • ます。私たち医療サービス提供者は、患者さんはもちろんのこと、同じ職場で働く医療チームメンバーに対しても常に「利他」すなわち「思いやりの心」と“尊重の心”をもって接することが大切であると考えています。

    さて、人生100年時代を迎えた今日、医療機関を受診される方々も年々増加してきております。厚生労働省は「安全で質の高い医療サービスを提供するために」を目的に、国民のために多岐にわたる医療政策を打ち出し、医療機関への診療報酬にも反映させています。その様々な政策の中から一例をあげますと、患者さんが入院から退院まで安心・安全な医療サービスが受けられることを目的に「入退院支援加算」を算定しています。また「患者サポートセンター」の設置も推進しています。そこで当院では、安心・安全でより質の高い医療サービスを提供するために、新年度から新しく「サポートセンター」を開設いたします。この「サポートセンター」については、次のページで詳しく紹介しておりますので、是非お目通しいただきたいと存じます。

    *稲盛和夫「生き方/人間として一番大切なこと」サンマーク出版、2004

サポートセンター開設について

看護部長 澤邉 綾子(認定看護管理者)

掻くのがやめられない症候群

当院では、『サポートセンター』の6月開設に向けて準備を進めています。

このセンターの役割は、病気になり入院しても、住み慣れた地域で継続して切れ目なく生活が送れるようにサポートする部門です。これまでも社会福祉士、看護師、事務職員などがそれぞれの場面で入院前から支援をしておりましたが、今後はセンター化して強化してまいります。写真のようなユニホームを着用した様々な職種のスタッフが集まり、患者さん一人ひとりの背景に合わせて必要な情報を提供し、ご家族の皆様も安心して医療を受けられるように分かりやすく説明してまいります。

例えば、入院前から入院に必要な栄養状態の評価や服薬中のお薬の管理など情報を整理し、入院準備や手術について説明をし、安心して入院生活が送れるよう病棟との連携を図ります。また、緊急入院の患者さんやご家族の皆様には、退院はできるのか、今後の生活はどうなるのかなど不安をかかえていることも多々あると思います。入院中から医師や看護師、リハビリスタッフとともに患者さんが望む暮らしに戻れるようにカンファレンスを重ね、安心して暮らせるよう支援してまいります。

掻くのがやめられない症候群

皆様の目にとまりやすい正面玄関のそばで対応いたします。また、利用される皆様から忌憚(きたん)のないご意見を伺いながら、『サポートセンター』としての役割が果たせるよう努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

臨床検査科コラム

脳波検査とは

臨床検査科 倉持 竜也


◆脳波検査とはなにか

脳波検査とはなにか

私たちの脳には数千億の神経細胞が存在し、神経細胞は電気的活動を利用して情報の伝達を行っています。臨床で行う脳波検査では、皿電極という平らな電極を頭皮上に装着して、脳内に存在する神経細胞の電気的活動を記録します。

頭皮上に20本、耳朶(じだ)に左右それぞれ1本、計22本の皿電極を装着して測定を行います。綺麗な波形を記録するため装着する際にはしっかりと頭を拭かせてもらい、頭皮の汚れを軽減させることが重要です。そのため準備時間を合わせて1時間ほどかかる予約検査となります。

◆どのようなことをするのか

どのようなことをするのか

脳波を記録する際は「開閉眼」「閃光刺激」「過呼吸」「睡眠」の4種類の賦活(ふかつ)試験を行います。睡眠賦活試験を行う際には、睡眠薬を使用する「薬物睡眠脳波」と睡眠薬を使用しない「自然睡眠脳波」があります。睡眠脳波を記録する際には測定中に睡眠をすることが重要なため、脳波検査を受ける前日より睡眠時間を短くしていただき、寝不足状態での検査が有効となります。

◆どのような疾患がわかるのか

代表的なものとしては「てんかん」「脳炎」「脳腫瘤」「意識障害」「脳死」などです。もっとも多い疾患が「てんかん」という病気です。

てんかんには痙攣や失神を伴うものから症状を伴わないものなど様々な病態があり、突然発現し短時間で消失するものがほとんどです。発症する年齢も様々で有病率は100人に1~2人とされていますが、てんかん患者のおよそ80%は投薬治療をすることで通常の日常生活を送ることが可能となります。有病率も高いため、少しでも不安のある方は脳波検査を受けてみることをお勧めします。

専門外来のご案内

小児脳神経外科・脊椎・側弯症外来

木村孝興先生

きむら たかおき
木村 孝興 先生

脊椎脊髄末梢神経外科 医長
富山大学医学部卒業。順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了。 日本脳神経外科学会専門医/日本小児神経外科学会認定医/日本神経内視鏡学会技術認定医

当外来では脳、脊髄などの神経、またそれらに深く関わる頭蓋骨、脊椎の先天性疾患の診療を行っています。

外来の特徴

当外来では一般的な小児脳神経外科診療に加え、◎発達障害を伴う頭蓋骨縫合早期癒合症の治療を行っていること、◎脊椎・脊髄に特化した診療科担当医が小児から成人まで診療を行っていること、が特徴です。一般的に小児診療では経過観察が必要なお子さんも、一定の年齢を超えると成人診療科に引きつがなければなりません。しかし当院では担当医が成人診療も行っているため、成人になってもそのまま診療を継続することができます。

対象となる主な疾患

  1. 頭蓋変形…当科では頭蓋骨縫合早期癒合症の治療、特に自閉症を伴う三角頭蓋、舟状頭蓋の治療も行っています。 小児科で自閉症の診断を受け、おでこに頭蓋骨の尖(とが)りを触れる場合や、頭蓋変形に気づかれたり、健診で頭囲の異常、頭蓋変形、大泉門の早期閉鎖を指摘されたお子さんは一度ご相談ください。
  2. 痙縮治療…痙縮(けいしゅく)とは、脳性麻痺など出生時期の何らかの脳損傷により、手足の痙性麻痺(つっぱり)が 残ってしまっている状態のことです。感覚神経を介して異常な電気信号が筋肉に伝達されるため、筋肉のつっぱりが 発生します。つっぱりを抑える治療として選択的後根切断術、ITBポンプ植込み術、ボツリヌス治療があります。足のつっぱりが強く歩きづらい、全身のつっぱりで苦痛が強い、おむつ交換がしづらい、清潔ケアが難しく、皮膚トラブル が生じてしまう、体位交換や移動などのご家族の介助負担が多いなど、脳性麻痺の重症度にかかわらず治療の適応は様々です。このような症状でお困りのことがあればご相談ください。それぞれのお子さんに合った治療の方針を決めていきます。
  3. 脊椎・側弯症…当科では側弯症の診療を行っています。側弯症は成長期に進行する可能性がありますので、初診で手 術適応がないと診断された場合でも成人まで経過観察が必要です。側弯症の程度により装具治療、矯正手術を行います。他にも頭蓋頚椎移行部異常(キアリ奇形、環軸椎脱臼症など)、二分脊椎、髄膜瘤、脊髄脂肪腫などの診療を行っています。

患者さんへ

現在、症状でお困りのことや心配なことがあれば、お気軽にご相談ください。

診察日

◆土曜日 10:30~11:30
外来診療予約専用TEL(通話料無料) 0800-800-6456【予約制】
※あらかじめ外来診療担当表をご確認の上、ご予約をお取りいただいてからご来院ください。

2020年5月の
院内医学健康講座 および 院外市民医学講演会開催中止について

日頃より当院主催の健康講座に足をお運びいただきまして、ありがとうございます。
諸般の事情により、5月の院内医学健康講座および院外市民医学講演会の開催を中止することといたしました。
たいへんご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
6月以降の講座につきましては、決まり次第お知らせいたします。

2020年3月の救急車受け入れ台数は489台でした。