主な疾患と治療方法|小児脳神経外科・脊椎・側弯症外来|小児科
頭蓋変形について
-
三角頭蓋
-
当科では頭蓋骨縫合早期癒合症による頭蓋変形の治療、特に発達障害を伴う三角頭蓋、舟状頭蓋の治療も行なっています。
小児科で発達障害の診断を受け、おでこに頭蓋骨の尖り(写真)を触れる場合や、頭蓋変形に気づかれたり、健診で頭囲の異常、頭蓋変形、大泉門の早期閉鎖を指摘されたお子さんは一度ご相談ください。
痙縮について
痙縮(けいしゅく)とは
痙縮とは脳性麻痺など出生時期の何らかの脳損傷により手足の痙性麻痺(つっぱり)が残ってしまっている状態のことです。感覚神経を介して異常な電気信号が筋肉に伝達されるため筋肉のつっぱりが発生します。つっぱりを抑える治療として下記の治療法があります。脳性麻痺の重症度にかかわらず治療の適応は様々です。
治療の適応例
- 足のつっぱりで歩きづらい、歩けない。
- 足のつっぱりが強くてオムツ換えがうまくできない。
- 全身のつっぱりが強く、眠れないくらい苦痛が強い。骨折や脱臼の原因となる。
- 全身のつっぱりでご家族の体位交換や移動などの介助が大変。
- ご家族のシャワーや入浴などの清潔ケアが難しく、皮膚トラブルが出てしまった。
など幅広い治療介入の適応があります。
当外来でご相談いただき、それぞれのお子さんにあった治療の目標を立てそれに向けて治療方針を決めていきます。手術後のリハビリテーションも当院で行います。
治療方法
選択的後根切断術
脊髄からでる感覚神経(後根)の一部を切断することで異常な信号を抑え、つっぱりを軽減します。
足のつっぱりで歩行がしづらいお子さんや介護の介入がしづらくなってしまうお子さんまで様々な治療の適応があります。治療効果がでる年齢に制限があるためお早めにご相談ください。
ITBポンプ植込み術
脊髄腔内にカテーテル(管)、お腹にポンプを入れることで24時間持続的にバクロフェンというお薬を注入し、つっぱりを軽減します。
全身のつっぱりによる苦痛の軽減や、体位交換や入浴ケアなどの介護時の骨折、脱臼の原因予防、他に介護するご家族の負担軽減などにも効果が望めます。
ボツリヌス治療
筋肉に直接ボツリヌスを投与することで緊張した筋肉を弛緩させます。効果は一時的なため、永続的な治療が必要な場合は選択的後根切断術やITBポンプ植込み術を選択します。
脊椎・側弯症について
当科では側弯症の診療を行なっております。側弯症は成長期に進行する可能性がありますので、初診で手術適応がないと診断された場合でも成人まで経過観察が必要です。
側弯症の程度により装具治療、矯正手術を行います。他にも頭蓋頚椎移行部異常(キアリ奇形、環軸椎脱臼症など)、二分脊椎、髄膜瘤、脊髄脂肪腫などの診療を行なっております。
当院ではリハビリテーションスタッフも脊椎脊髄診療に関して多くの症例数を経験しているため、術後も安心してリハビリテーションが受けられます。