広報紙 vol.37しんゆりニュースレター

脳神経救急・外傷の
オールラウンダーとして
地域のニーズに応える

新百合ヶ丘総合病院
脳神経救急・外傷センター センター長
すずき みちやす
鈴木 倫保
【プロフィール】
1979年東北大学医学部卒業。University of California at Irvine留学。96年岩手医科大学脳神経外科助教授。2000年山口大学脳神経外科教授。2020年山口大学医学部先進温度神経生物学講座教授(特命)。新百合ヶ丘総合病院脳神経救急・外傷センター長。現在、日本脳ドック学会理事長、日本頭痛学会理事・指導医、日本認知症学会評議員・指導医、日本脳神経外科学会指導医、日本脳卒中学会指導医、日本脳卒中の外科学会技術指導医、スポーツドクター、臨床修練指導医(英語)、日本神経内視鏡学会技術認定医、日本小児神経外科学会認定医、世界脳神経外科連盟集団災害と神経救急委員会委員長。

脳神経救急・外傷の
オールラウンダーとして
地域のニーズに応える

新百合ヶ丘総合病院
脳神経救急・外傷センター センター長
すずき みちやす
鈴木 倫保
【プロフィール】
1979年東北大学医学部卒業。University of California at Irvine留学。96年岩手医科大学脳神経外科助教授。2000年山口大学脳神経外科教授。2020年山口大学医学部先進温度神経生物学講座教授(特命)。新百合ヶ丘総合病院脳神経救急・外傷センター長。現在、日本脳ドック学会理事長、日本頭痛学会理事・指導医、日本認知症学会評議員・指導医、日本脳神経外科学会指導医、日本脳卒中学会指導医、日本脳卒中の外科学会技術指導医、スポーツドクター、臨床修練指導医(英語)、日本神経内視鏡学会技術認定医、日本小児神経外科学会認定医、世界脳神経外科連盟集団災害と神経救急委員会委員長。
  • 皆様、はじめまして。山口県からまいりました鈴木倫保と申します。本年4月1日、当院に開設されました脳神経救急・外傷センターに、仲間と一緒に赴任してまいりました。これまで、昭和54年東北大学卒業後、仙台医療センター、岩手医科大学などを経て山口大学で脳神経外科教授として20年間奉職しておりました。東北地方で勤務していた折には、南東北グループ総長・新百合ヶ丘総合病院理事長の渡邉一夫先生に大変お世話になりました。山口大学では国立大学初の救命救急センターがフル稼働しており、ドクターヘリで脳神経救急症例が県内のみならず、福岡県や島根県からも搬送されており、脳神経外科、脳血管内治療、整形外科、救急、麻酔科などの仲間たちと、三次救急の一翼を担っておりましたので、チーム医療の大切さは良く理解しております。今後、当院でこれまでご尽力されてきた救急科、ICU、麻酔科、手術室の先生やスタッフの方々、また同時に開設されました「外傷再建センター」や「脳卒中センター」と協力して、脳神経救急・外傷の患者さんが元気に退院できますよう、全力で診療した

  • いと存じます。

    これまで日本脳神経外傷学会役員20年(内理事長として直近4年)、あるいは日本脳神経外科学会や日本脳卒中学会の理事として、長年我が国の脳神経救急疾患と向き合ってきましたが、その実態は昨今大きく様変わりしております。現在の脳神経救急は外傷、脳卒中、てんかん、薬物、認知症、小児・高齢者虐待などの社会問題が複雑に絡み合った領域になってしまった、とつくづく実感しております。私の願いは、近隣のクリニックの先生・救急隊・行政の方々と手を組んで、絡み合った糸を解きながら、地域の救急症例を一人も取りこぼすことなく、元の生活にまで送り届けることを基本とし、将来的にはシステムとして維持発展させることです。

    私自身は、手術では顕微鏡手術を、治療では神経集中治療・管理を得意としておりますが、同僚は内視鏡手術、脊椎・脊髄手術、血管内治療に長けておりますので、脳神経救急・外傷のall rounderとして地域のニーズに応えることが可能と考えております。皆様のご支援を切にお願いいたします。

脳神経救急・外傷センターの最新トピックス

受診の際は、必ずご予約をお取りの上、ご来院ください。
【予約電話番号:0800-800-6456(9:00~17:00)】 ※月~土(日・祝日除く)

【脳神経救急・外傷センターとは】

  • 脳神経系の救急・外傷疾患を診断・治療するセンターです。脳卒中・腫瘍・てんかん・動脈硬化・加齢・交通事故や転倒/転落の外傷などが原因で引き起こされる、意識障害、片麻痺、言語障害、しびれ、めまい、視力視野障害、頭痛、けいれん、顔面の痛み、外傷などを、「救急科」「脳卒中センター」「外傷・再建センター」「脊椎脊髄センター」「脳血管内治療センター」の医師と共同して診療します。

    症状の軽重は問いません。どのような患者さんに対しても、全力で顕微鏡や内視鏡を中心とした外科的な治療を行います。取り扱う疾患例:くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞、慢性硬膜下血腫、脳・脊髄外傷、三叉神経痛や顔面痙攣、脳脊髄腫瘍や腫瘍内出血

【最新トピックス】

代表的な疾患の脳神経外傷について見ると、交通事故による受傷は減少傾向ですが、重症例では頭頸部の血管損傷の頻度が高いことが明らかとなり、脳卒中の知識と診断・治療技術は必須です。逆に、車の運転中にくも膜下出血や脳梗塞を発症して意識障害から事故を起こす方もいらっしゃいます。


  • 最近、重症者の脳機能や病態をモニターする種々のセンサーも開発されており、個々の患者さんの病態に応じた最適治療:体温管理や薬物療法を選択することが非常に大切となってまいりました。

    虐待は小児ばかりではなく、高齢者でも大変頻度が高いことが明らかとなり、注意が必要です。

    スポーツ頭部外傷や脳震盪も、新たな診療領域として注目されています。脳震盪を繰り返すことは認知症に繋がるといわれています。

    交通事故後の頭痛は、古くは「むち打ち損傷」として、近年では「脳脊髄液減少症」として国会でも取り上げられて物議を醸しましたが、その原因ははっきりしていませんでした。ところが、この数年間で研究が進んで「片頭痛」と同様の機序が予想されて新たな薬物治療の治験が開始されました。当院で使用可能となる日も間近でしょう。


高齢者で、急激に異常行動や認知機能の低下が見られる方の中には、痙攣はおこさないものの「てんかん」の発作のために脳機能が低下している患者さんもいらっしゃいます。


  • 最も危険性の高い患者さん群は、血液サラサラに必要な抗血栓薬(抗血小板・抗凝固薬)服用の高齢者頭部外傷です。受傷後しばらくは普段通りですが、しばらくしてあっという間に昏睡あるいは死亡となるtalk &deteriorateという病態が急増しています。65歳以上の方の1/10が抗血小板薬を服用し、1/20が抗凝固 薬を服用されている我が国の状況を反映していると考えられます。このような場合、抗血栓薬の中止に加 えて中和薬の投与が必要になります。このような患者さんの治療については「Think FAST campaign」という運動を全国で展開しております。


栄養管理科コラム

感染予防と食事について

栄養管理科 吉田 咲子


新型コロナウイルスと食事の関係!?

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で今までとは違う食生活になった方は多くいらっしゃることと思います。家にいることが多くなり間食が増えてしまったり、逆にきちんと三食食べるようになって食べ過ぎていたり、買い物への外出が減り普段より食事量が減ったり…、食事バランスが悪くなったりしていませんか? また、テレビのワイドショーでの感染症対策になるといわれている食品やサプリメントなどの情報により、普段食べないものを摂取したりすることもあったのではないでしょうか。

しかし、食事を通じて新型コロナウイルスに対する免疫システムを特別に増強することはできず、特定の食品やサプリメントによりウイルス感染の拡大を抑えることはできないといわれています。感染を回避するための最良の手段は、依然として「適切な衛生習慣、つまり、ウイルスに感染しない行動をとる」ということです。

では食事は関係ないのか!? というと、そうではなく、免疫システムが正常に機能するために多くの栄養素や関連物質が関与していますので、バランスの良い食事を心がけることは必要です。また、やせても肥満でも免疫システムが機能しにくくなり、ウイルスに対する抵抗力は低下するため、適量の食事を摂取しましょう。

【バランスの良い食事について】

  • ②無菌調製

    ①主食(ごはん、パン、麺、シリアルなど)
    ②主菜(肉、魚、卵、大豆・大豆製品など)
    ③副菜(野菜、きのこ、いも、海藻など)
    ④牛乳・乳製品
    ⑤果物
    ⇒まずは①主食、②主菜、③副菜を3食そろえるようにしましょう。毎食3つ食器を用意するか、プレート皿で仕切りが3つあるものを使うと意識できます。スーパーやコンビニなどで購入した調理済みのものでも、主食・主菜・副菜と3つのお皿に盛り付けをすれば簡単にバランスをチェックすることができます。
    ⇒④牛乳・乳製品、⑤果物は食事の時や間食として摂取しましょう。

【適量の食事について】

適量の食事について参考になる資料として厚生労働省策定の「食事バランスガイド」や「日本人の食事摂取基準」があります。今回は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」から、推定エネルギー必要量をご紹介します。時々体重測定を実施し、意図しない体重減少や肥満があれば改善が必要です。
注)糖尿病、高血圧、腎臓病などで食事療法が医師から指示されている方は、その指導内容に従ってください。

新型コロナウイルスとの闘いは長期戦になるといわれています。情報に振り回されず、規則正しい食生活と手洗い・マスク着用などの衛生習慣の徹底で「自分には食事や健康管理の正しい知識と、免疫力が備わっているのでウイルスをもよせつけないぞ!」といえる心身であることで、長期戦に備えましょう。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、日本栄養士会ホームページ

専門外来のご案内

臨床遺伝・代謝・内分泌外来

えとう よしかつ
衞藤 義勝 先生

小児科 先端医療研究センター長、遺伝病研究所所長

東京慈恵会医科大学卒業。米国ペンシルバニア大学神経内科研究員、スイスベルン大学小児科Assistant Prof.、米国ジョージタウン大学小児科・マウントサイナイ医科大学臨床遺伝講座兼任教授、東京慈恵会医科大学小児科主任教授、同DNA医学研究所所長、日本小児科学会理事長、国際小児科学会理事、日本先天代謝異常学会理事長、日本遺伝子治療学会副理事長などを歴任。
現在、一般財団法人脳神経疾患研究所先端医療研究センター長&遺伝病治療研究所所長、東京慈恵会医科大学名誉教授、日本小児科学会専門医、臨床遺伝指導医・専門医、日本小児神経学会専門医、日本・米国小児科学会名誉会員、国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラム学会代表幹事、など。

遺伝病(特に神経難病、子どもの先天代謝異常症など)を中心に、遺伝子診断も含め、診断・治療をいたします。

外来の特徴

ヒトの遺伝病は2万種類以上あり、年齢に関係なく子どもから成人まで広く分布します。多くは遺伝病は難病でありますが、診断、治療が難しい疾患です。当外来では、遺伝病(特に神経難病、子どもの先天代謝異常症など)を中心に遺伝子診断も含め、診断あるいは治療を目指しております。最近はこれらの難病の酵素補充療法、低分子治療、遺伝子治療などが始まり、特に当外来ではファブリ病、ゴーシェ病、ポンぺ病、ムコ多糖症などの酵素補充療法、また脊髄性筋萎縮症(SMA)の遺伝子治療なども行います。

遺伝病(ライソゾーム病を含む)診断、治療方法に関して

多くの難病は原因が不明な疾患が多いですが、最近ヒトの遺伝子を次世代シークエンス解析(NGS)で診断することが可能となり、遺伝性難病の病因が解明され、一部の病気では新しい治療もできる時代になりました。特に遺伝病の内各種ライソゾーム病は酵素補充療法が可能となり、さらに多くの遺伝病で現在アデノ随伴ウイルス、レンチウイルスベクターを使用した遺伝子治療も世界では急速に広がり始めております。当外来では、各種遺伝性難病の診断、最先端治療などのご相談にのります。

患者さんへ

遺伝性難病など、原因がわからない患者さん方の診断のお手伝い、あるいはご家族の遺伝相談、ライソゾーム病の酵素補充療法、脊髄性筋萎縮症(SMA)の遺伝子治療、また各種遺伝性難病の遺伝子診断、治療の可能性などのご相談にのります。

診察日

◆毎週木曜日 9:00~11:30
外来診療予約専用TEL(通話料無料) 0800-800-6456【予約制】
※あらかじめ外来診療担当表をご確認の上、ご予約をお取りいただいてからご来院ください。

「健康講座ミニ版」動画配信のお知らせ

日頃より当院主催の健康講座に足をお運びいただきまして、ありがとうございます。
諸般の事情により、8月の院内医学健康講座および院外市民医学講演会の開催を中止することといたしました。
その替わりとしまして、健康講座ミニ版を当院ホームページにて動画配信いたしますので、ご覧ください。

掲載日 :
8月7日頃頃 (詳細は当院ホームページにてお知らせします)
演題 :
「糖尿病と上手につき合い、元気で長生き」
講師 :
糖尿病センター センター長 岩本 安彦 先生

2020年6月の救急車受け入れ台数は505台でした。