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意外に多彩な口の病気

口腔外科専門医の診断とベストな治療


新百合ヶ丘総合病院
歯科口腔外科 部長
きくた としひろ
喜久田  利弘  歯科医師
【プロフィール】
1976年九州歯科大学歯学部卒業。1980年同大学院歯学研究科口腔外科学専攻、歯学博士取得。1981年同大学口腔外科学第1講座助手。1984年スイス・バーゼル大学医学部口腔顎顔面外科留学。1987年米国ジョン・ピーター・スミス病院口腔外科留学。1993年同大学口腔外科学第1講座講師。1994年福岡大学医学部歯科口腔外科学講座助教授。2003年米国テキサス州立大学医学部ダラス校口腔外科留学。2005年福岡大学医学部歯科口腔外科学講座主任教授。2018年より現職。
日本口腔外科学会専門医・指導医/日本有病者歯科医療学会専門医・指導医/日本口腔科学会認定医・指導医

意外に多彩な口の病気

口腔外科専門医の診断とベストな治療


新百合ヶ丘総合病院
歯科口腔外科 部長
きくた としひろ
喜久田 利弘 歯科医師
【プロフィール】
1976年九州歯科大学歯学部卒業。1980年同大学院歯学研究科口腔外科学専攻、歯学博士取得。1981年同大学口腔外科学第1講座助手。1984年スイス・バーゼル大学医学部口腔顎顔面外科留学。1987年米国ジョン・ピーター・スミス病院口腔外科留学。1993年同大学口腔外科学第1講座講師。1994年福岡大学医学部歯科口腔外科学講座助教授。2003年米国テキサス州立大学医学部ダラス校口腔外科留学。2005年福岡大学医学部歯科口腔外科学講座主任教授。2018年より現職。
日本口腔外科学会専門医・指導医/日本有病者歯科医療学会専門医・指導医/日本口腔科学会認定医・指導医
  • 一般にかかりつけ歯科医院では、虫歯や歯周病の治療、普通の抜歯とその後のブリッジや義歯の治療が行われています。では、それ以外の口の病気をご存知でしょうか。実は意外に多彩な口の病気があります。それを治療する診療科が「歯科口腔外科」です。当院では、口腔外科専門医や認定医が担当しています。

    当院歯科口腔外科は日本口腔外科学会認定の「准研修施設」で、口腔外科疾患全般に対応する体制が整っています。平成30年度の入院患者数は201件、全身麻酔外科手術数は164件でした。開業医では困難な骨内に埋まった親知らずなどの局麻抜歯は毎日、午後の外来枠で行っています。昨年は770人の難しい抜歯を行っています。神奈川県内の総合病院歯科口腔外科では非常に多い手術件数を誇っています。歯科口腔領域専用のコーンビームCTもあり、毎日多くの患者さんの顎骨内病変を三次元的に診断しています。また、当院放射線科はPET-CT、SPECT、MR、CTなど大学病院と同等かそれ以上の検査機器を備えています。さらに放射線治療では、コンピューター制御のサイバーナイフ治療、強度

  • 変調放射線治療(IMRT)リニアックも導入していることから、口腔がんの術後照射やご高齢で手術困難な口腔がんの治療も可能となっています。口腔機能を温存(摂食嚥下、発音、審美)する治療です。また、当院救急科と連携し、救急車で搬送されてきた急性の歯性感染症や口腔顎顔面の外傷治療も行っています。

    一方、ご高齢で心臓疾患や脳障害の患者さんは抗血栓療法を行っている場合が多く、抜歯する際には出血や元の病気の悪化など、大きなリスクがあります。当院では、内科的基礎疾患を持つ、いわゆる有病者の歯科外科治療は日本有病者歯科医療学会認定の専門医が担当し、安全に行っています。

    口で食事を美味しく咬んで食べる、楽しく会話する、良い笑顔でコミュニケーションするのが、口腔の大切な機能です。私は大学医学部付属病院で長年口腔疾患治療を経験してきました。口の病気は患者さんの日々のQOLを左右することを実感してきました。患者さんの苦痛を解決し、口の機能を回復できるよう尽力することが歯科口腔外科の使命と考えて日々努力しています。

歯科口腔外科

歯科口腔外科を受診の際は、必ずご予約をお取りの上、ご来院なさってください。
【予約電話番号:0800-800-6456(9:00~17:00)】 ※月~土(日・祝日除く)

歯科口腔外科で対応する口の病気

歯性感染症

歯性感染症

悪い歯が原因で顔がひどく腫れて痛み、口も開かず食事が摂れなくなる炎症(歯性蜂巣炎)。多くは虫歯や埋伏智歯が原因です。抗生物質の点滴や歯茎やあごの下の皮膚を切開して膿を出す場合があります。腫れが治ったら、抜歯です。

埋伏歯

あごの骨の中に埋まった歯をいいます。抜歯は歯肉切開と骨削除で埋まった歯を露出し、歯を分割して取り出します。一般に外来の局所麻酔で行いますが、埋まり方が深く、根が湾曲・肥大している場合は全身麻酔で行う場合もあります。

顎骨のう胞

顎骨のう胞

歯が原因ののう胞(ふくろ)の病気です。大きくなると鶏卵大にもなります。悪い歯があって長年放置すると、時として根の先に袋ができることがあります。また、歯があごの骨の中に埋まった状態でいると、歯を含む大きな袋になることもあります。

顎骨骨髄炎

悪い歯や放射線治療後であごの骨髄が化膿して、歯茎や頬部の皮膚が破れて膿が出る顎骨骨髄炎があります。腐骨と呼ばれる膿が溜まる骨を摘出することになります。ひどい場合は、あごの骨を切り取る場合もあります。

口腔腫瘍(良性、悪性)

口腔腫瘍

口の粘膜にでき物ができる腫瘍性病変があります。良性では、がんになる直前の病気として白板症がよく知られています。細胞や組織を少し取る検査で病理確定診断して治療方法を決定します。舌、歯茎の悪性腫瘍では、大きく切除をしたり、あごの骨を切り取って丈夫なチタニウム性プレートであごの連続性を維持する方法もあります。進んだ例では、大きく切除し、他の部分から組織を移植するチーム治療の場合もあります。

顎変形症

顎変形症

出っ歯や受け口などの上下のかみ合わせが悪い状態をいいます。歯並びでなく、顎骨の前後、左右、上下の位置が悪いために歯が正常にかみ合わない状態です。そのために口唇が出たり、引っ込んだりした状態、左右が不均衡で顔がゆがんだ状態をいいます。上下の顎の骨をずらして正常なかみ合わせに回復する手術を行います。手術の前後に健康保険適用の歯列矯正治療を併用します。

顎顔面骨骨折

顎顔面骨骨折

路上で転倒したり、スポーツ、交通事故やけんかで殴られたりして口唇、歯、上下のあごの骨が折れたりします。その場合、なるべく早くかみ合わせを元に戻す整復固定手術が必要です。術後1週間程度で退院し、早期社会復帰していただく治療を行います。

内科疾患を持つ患者さんの歯科外科治療

不整脈などで抗血栓療法を行う循環器疾患、インシュリンでコントロールしている糖尿病、B・C型肝炎、ステロイド服薬の膠原病などの基礎的疾患を持つ患者さんの抜歯は時として非常に危険です。内科疾患が増悪しないよう点滴確保、モニター監視で安全に行っています。抜歯前に十分な検査を行って、術後出血しないように注意して行います。

その他、周術期口腔機能管理、顎関節疾患(顎関節症、顎関節脱臼)、歯科治療恐怖症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、インプラント治療など、口腔外科全般に幅広く対応いたします。

地域の皆様のお口の健康を通して全身の健康を保ち、「食べる」ことを支援し、質の高い生活を送っていただくために精いっぱい努力してまいります。なお、観血的歯科外科処置のご依頼に際し、地域医療支援病院としての特性上、紹介元、かかりつけ、もしくは近隣の歯科医院からの紹介状のご持参をお願いいたします。

栄養管理科コラム

「働き方」が変わると「食生活」も変わります!

~働き方を変えると時間と心に余裕が出る~

2019年4月1日から働き方改革関連法が順次施行されました

いろいろと取りざたされていますが、簡単にいうと「長時間労働をなくし、年次有給休暇を取得しやすくする。働き過ぎを防いで健康を守る措置をした上で、 自律的で創造的な働き方を希望する方々のための新たな制度を作る。同一企業内における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇の差をなくす」などです。改革施行後は「定時で仕事を終わらせて夕飯は家族や友人とゆっくりと」「年次休暇をとってキャンプに行きバーベキュー!」「今まで働きに出たかったお母さんが社会復帰、お母さんが仕事に行っている間はお父さんが食事を作ることになる」など、今までとはずいぶん変わることもあると思います。

働き方改革と食事は切っても切れない関係

このように働く環境が変化するとプライベートが充実して、生活の幅が広がる方もいると思います。そうすると、自由な時間ができた分だけ自己管理や自分を律することも必要になります。そこが「食生活改革」の絶好のチャンスになります。

なぜ、食事は1日3回なるべく同じ時間にバランスよく食べなければならないのか

改革前は、夜遅くまで仕事をして家に帰るのが遅く、通常の夕飯時間には到底食事はできない。家に帰り、やっとのこと食事にありつけるのは深夜近く。そんな時間に食べるので、翌朝は食欲がわかずコーヒーだけで済ませてしまう。こんな悪循環に陥っている方も多いのではないでしょうか。よく「食事は1日3回バランスよく」などといわれますが、なぜでしょうか。その理由の一つとして血糖値のコントロールがあります。

《血糖値の上昇を緩やかにするポイント》

●適切な量、バランスのよい(主食・主菜・副菜のそろった)食事を心がける。
●早食いは避け、時間をかけて食べる(15分はかける。食事時間に余裕をもつ)。
早食いは食後血糖値の急上昇につながりやすい。また、食べ過ぎてしまい肥満になりやすい。
●欠食・ドカ食い・まとめ食いは禁物。
●1日3回、毎日だいたい同じ時間に食事をとる。

食事のとり方で血糖値はこんなに変動します!

  • 1日3回決まった時間に食事をとった時の血糖値の変化(※)
    1日3回規則的に食べれば、血糖値は安定します。
    1日3回決まった時間に食事をとった時の血糖値の変化
  • 1日に2回しか食事をとらなかった時の血糖値の変化(※)
    朝食抜きの場合、血糖値は昼食前に激減し、昼食後と夕食後に急激に上がります。
    1日に2回しか食事をとらなかった時の血糖値の変化
  • 3回食事をとり、牛乳や果物を間食で摂取した場合(※)
    血糖値も上がらず理想的なグラフですが、食事や間食の量に気をつけることが大切です。
    3回食事をとり、牛乳や果物を間食で摂取した場合
(※)各グラフは摂食と血糖値の変化の関係のイメージを示したものです。血糖値の上昇・下降の幅には個人差があります。
日本医師会ページはこちら
食事状況に合わせて、自己管理に必要なアドバイスをさせていただきます。心配事がある場合は、お気軽にご相談ください。当院では入院・外来どちらでも栄養相談を実施しています。スタッフまでお声かけください。

専門外来のご案内

緩和ケア外来

がんによる身体、こころ、生活のつらさをやわらげ、がん治療や療養をサポートする外来です。

緩和ケア外来


副院長・外科部長

たなべ よしあき
田辺 義明 先生

日本外科学会指導医・専門医/日本消化器外科学会指導医・専門医/日本消化器病学会指導医・専門医/日本消化器内視鏡学会指導医・専門医/日本緩和医療学会認定医/日本静脈経腸栄養学会認定医/日本がん治療認定医機構がん治療認定医


麻酔科 医長

なかにし ひでよ
中西 英世 先生

日本麻酔科学会専門医/麻酔科標榜医/日本緩和医療学会認定医


精神科(心療内科)科長

とべ ゆきこ
戸部 有希子 先生

日本精神神経学会認定専門医・指導医/精神保健指定医

外来の特徴

がんと診断された時、がん治療中、がんが進行した時には、身体、こころ、仕事や生活に関する様々なつらさを経験します。なかには、誰に相談したらよいか分からない悩みもあるかもしれません。当外来では、緩和ケアに関する専門チームが対応し、それぞれの患者さん・そのご家族のつらさの内容に応じたオーダーメイドのサポートを行っています。緩和ケアチームは主治医と連携しています。緩和ケアをご希望の方は、主治医にご相談ください。

主な症状とその苦痛の緩和

■告知後のショック、仕事や家事など生活の不安、治療の選択に関する悩み
⇒ あなたのお悩みに耳を傾け、その解決方法を一緒に考えます

■治療の副作用、身体の苦痛
⇒ 副作用や苦痛をやわらげる薬の処方や、食べやすい食事、より楽に過ごすための生活の工夫についてアドバイスを行います。

■金銭面、療養する場所の不安 ⇒ 無理なく、より安心して治療に専念し、療養できる環境について一緒に考えます。

■スピリチュアル・ペイン、ご家族の不安 ⇒ ご本人だけでなく、ご家族のカウンセリングも実施しています。

チームの紹介

当院の「緩和ケア」専門チームは、医師(外科・麻酔科・精神科)、看護師(緩和ケア・精神看護)、薬剤師、リハビリ専門職員、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー、公認心理士などで構成されています。

患者さんへ

緩和ケアはがんと診断された時からはじめることができます。当院の緩和ケアチームは、がん治療をうける患者さん・そのご家族一人一人の身体やこころなどの様々なつらさを和らげ、安心してこれからのことに対処していくことができるようサポートしていきたいと思っております。

診察日

◆木曜日 14:00~17:00【予約制】
外来診療予約専用TEL(通話料無料) 0800-800-6456【予約制】
※あらかじめ外来診療担当表をご確認の上、ご予約をお取りいただいてからご来院ください。

講座・イベントのご案内

◆医学健康講座 ※時間…14:00~15:00/会場…STRホール(新百合ヶ丘総合病院3F、定員150名、先着順)
6月5日(水) 病理診断について 病理診断科
部長 福永 眞治 先生
6月19日(水) 香りと脳 そして睡眠
※講演前12:30よりギターコンサートを開催
精神科(心療内科) 古賀 良彦
6月26日(水) 咳・痰・喘息について 呼吸器内科
科長 内海  健太 先生
◆市民医学講演会 ※時間…14:30~15:30
6月4日(火) がんを予防しよう
~がんにならないために~
呼吸器内科 部長
中嶌 賢尚 先生
小田急ホテル相模大野
8F相模野(定員120名)
6月11日(火) 動脈・静脈の病気 ~血管のコブにお悩みの方に、
下肢静脈瘤・動脈瘤・動脈硬化症について~
血管外科 部長
金子 健二郎 先生
小田急ホテル相模大野
8F相模野(定員120名)
6月20日(木) 肝臓内科、最近の話題 肝臓内科 部長
椎名 正明 先生
調布クレストンホテル/8F
クレストンルーム(定員120名)

※ 講座の講師及び演題は予告なしに変更になる場合がございます。

2019年4月の救急車受け入れ台数は515台でした。