ホーム 広報紙 2019年5月号

成育基本法と
小児医療

新百合ヶ丘総合病院
小児科 部長
しけ たつひこ
四家 達彦 医師
【プロフィール】
1967年生まれ。1993年福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学小児科入局。2005年NHO静岡てんかん・神経医療センター小児科医員。08年NHO神奈川病院小児科医長。09年慶應義塾大学医学部小児科入局。10年国立成育医療研究センター総合診療部医員。12年横浜市立市民病院小児科担当部長。17年より現職。
日本小児科学会専門医/認定小児科指導医/臨床研修指導医/PALSプロバイダー/NCPR修了/川崎市児童虐待防止医療ネットワーク委員

成育基本法と小児医療

新百合ヶ丘総合病院
小児科 部長
しけ たつひこ
四家 達彦 医師
【プロフィール】
1967年生まれ。1993年福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学小児科入局。2005年NHO静岡てんかん・神経医療センター小児科医員。08年NHO神奈川病院小児科医長。09年慶應義塾大学医学部小児科入局。10年国立成育医療研究センター総合診療部医員。12年横浜市立市民病院小児科担当部長。17年より現職。
日本小児科学会専門医/認定小児科指導医/臨床研修指導医/PALSプロバイダー/NCPR修了/川崎市児童虐待防止医療ネットワーク委員
  • 2018(平成30)年12月8日、参議院本会議において成育基本法(成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律)が成立しました。皆様はご存知ですか? この法律にある成育過程とは、出生に始まり、新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の各段階を経て、おとなになるまでの一連の成長の過程をさします。成育医療等とは妊娠、出産及び育児に関する問題、成育過程の各段階において生ずる心身の健康に関する問題等を包括的に捉えて、適切に対応する医療及び保健並びにこれらに密接に関連する教育、福祉等に係るサービス等をさします。

    これらの内容(定義)をふまえた基本理念の最後に、社会的経済的状況にかかわらず安心して次代の社会を担う子どもを生み、育てることができる環境が整備されるよう推進されなければならないと述べられています。そのため国、地方公共団体、保護者、医療関係者等の責務もそれぞれ示されています。

    私たち医療関係者(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師その他の医療関係者)は成育過程に

  • ある者の心身の健やかな成育並びに妊産婦の健康の保持及び増進に寄与するよう努めるとともに、成育医療等を必要とする者の置かれている状況を深く認識し、良質かつ適切な成育医療等を提供するよう努めなければならないと義務付けられています。

    私が思いますには、小児科の特徴とは小児科学を基盤とする医療を通して、この法律の定義と理念を理解実践することだと考えます。この法律の素晴らしい理念は行政、医療関係者のみならず保護者にもその責務を規定しており、行政が保護者に対し必要な支援を行うものとする、と保護者を孤立させない配慮がなされています。

    成育医療は子どもの置かれている状況を深く認識したうえで提供される、という意味を私たちはどう受け止め実践すべきなのか。子どもをとりまく家庭環境、学校での環境、そして社会全体まで視野を拡げ、ソーシャルワーカーや行政とも協力し、隙のないネットワークのなかで自ら果たす役割を謙虚に考える必要があります。成育医療という言葉の意味するものを今一度よく理解し、狭い小児科診療から全体を見渡すことができる、そのような医療を皆様とともに実践してまいりたいと考えております。

小児科

小児科を受診の際は、必ずご予約をお取りの上、ご来院なさってください。
【予約電話番号:0800-800-6456(9:00~17:00)】 ※月~土(日・祝日除く)

小児科

●対象疾患

小児科一般診療、新生児診療。具体的には新生児(早産児、低出生体重児、黄疸、一過性多呼吸、呼吸窮迫症候群、子宮内感染症など)、代謝/内分泌(ライソゾーム病、甲状腺疾患、成長ホルモン分泌不全性低身長症、性腺疾患など)、アレルギー疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど)、感染症(水痘、おたふくかぜ、EBウイルス感染症、インフルエンザ、マイコプラズマ感染症、細菌性腸炎など)、呼吸器疾患(クループ症候群、RSウイルス細気管支炎、細菌性肺炎など)、循環器疾患(先天性心疾患、心雑音、心電図異常、川崎病など)、消化器疾患(虫垂炎、アセトン血性嘔吐症など)、血液疾患(鉄欠乏性貧血、免疫性血小板減少性紫斑病など)、腎疾患(学校検尿異常、急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、尿路感染症、夜尿症など)、神経疾患(てんかん、神経筋疾患、一部発達障害など)、小児外科疾患(臍ヘルニア、外鼠径ヘルニア、舌小帯・上唇小帯など)。

●診療内容

●一般診療 ●小児外科外来 ●アレルギー外来 ●遺伝/代謝/内分泌(ライソゾーム病)外来
●神経外来 ●内分泌代謝外来 ●腎臓外来 ●心臓外来 ●血液外来 ●シナジス外来
●予防接種外来 ●乳幼児健診
診療内容

小児医療はプライマリケアから高度先進医療まで幅広く、私ども一般病院の小児科は診療所(クリニック)と小児病院や大学病院といった高度専門施設間の橋渡し役、つなぎ目にあたることから、病診連携・病病連携を重視して診療させていただいております。患者さんのかかりつけの診療所(クリニック)または病院様からご紹介をいただき、当科で診療後(専門外来、入院治療、検査)、かかりつけの先生のもとにお戻しさせていただくという連携を基盤とし、将来的には小児の在宅医療とも連携をしてまいりたいと考えております。現在、外来一般診療は午前中のみとなっておりますが、かかりつけの先生からのご紹介がございましたら、午後も夕方5時まで受け付けておりますので、どうぞご相談ください。もちろん、直接お見えになられる患者さんも拝見いたします。その際は多少の待ち時間が発生いたしますので、あらかじめご了承願います。また、当科で診断困難な患者さん、難治性で高度な専門医療を必要とする患者さんにつきましては、小児病院や大学病院などに責任をもってご紹介いたします。

入院は小児と女性のみの病棟となります。午前10時から午後8時まで面会が可能ですが、ご希望に応じて付き添いも可能です(その際は個室料金が発生いたします)。小さいですがプレイルームもございます。病棟には小児科医師、薬剤師、小児医療に精通した看護師とクラークが配置されておりますので、ご安心ください。また夜間・休日も小児科医が当直しており、急変などに対応させていただいております。

私ども常勤小児科医5名は小児科専門医の資格を有しており、一般診療のみならず、それぞれの専門性を活かして皆様のお役に立てるよう日々努力いたしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

リハビリテーション科コラム

がんのリハビリテーション

がんのリハビリテーション

リハビリテーション科 理学療法士 梶 登士次


近年、がん治療の進歩により、がんと共生する時代へと変わりつつあります。当院においても、さまざまな病期のがん患者さんが入院や外来にて治療を受けておられ、私たちリハビリテーション科のスタッフもチームの一員として関わらせていただいております。そこで今回は、がんのリハビリテーションについてご紹介します。

がんのリハビリテーションとは

がん患者さんの生活機能と生活の質(quality of life:QOL)の改善を目的とする医療ケアであり、がんとその治療による制限を受けた中で、患者さんに最大限の身体的、社会的、心理的、職業的活動を実現させることと定義されています。また医師、看護師、リハビリスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)、医療ソーシャルワーカー、臨床心理士、管理栄養士など、さまざまな専門職からなるチームによって提供されます。

がんのリハビリテーションの病期別の目的

がんになると、がんそのものや治療に伴う後遺症や副作用などによって、患者さんはさまざまな身体的・心理的な障害を受けます。がんのリハビリは、がんと診断されたときから、障害の予防や緩和、あるいは能力の回復や維持を目的に、あらゆる状況に応じて対応していきます。図のように予防、回復、維持、緩和と4期に分けて考えていきます。

がんのリハビリテーションの病期別の目的

予防的・・・ がんと診断されてから早い時期(手術、抗がん剤治療、放射線治療の前)に開始します。機能障害は起こっておらず、その予防を目的とします。手術後の合併症予防に向けた呼吸リハビリなどを行います。
回復的・・・ 手術や抗がん剤、放射線治療により二次的に生じる、機能障害や筋力や体力の低下に対して最大限の機能回復を図ります。
維持的・・・ がんが増大し、機能障害が進行しつつある患者さんに対して、運動能力の維持・改善を試みます。環境調整や動作のコツなどのセルフケアや、低活動状態による関節拘縮や筋力低下などの廃用症候群の予防も含みます。
緩和的・・・ 患者さんの要望を尊重しながら、身体的、精神的、社会的にもQOLを高く保てるように援助します。

医師の指示のもと、がんのリハビリテーションは患者さん一人一人に合わせてチームで介入していきます。現在、一部のがんで入院患者さんのみが対象となっていますが、疾患によってはリハビリテーションを行うことが可能となっています。何かお困りのことがありましたら、お気軽に主治医やリハビリテーション科にご相談ください。

専門外来のご案内

荒巻恵医師

小児科 心臓外来

心雑音や心電図異常などの指摘を受けたお子さんや、先天性心疾患などの既往を持つお子さんの診察を行います。

小児科 科長

あらまき めぐみ
荒巻 先生

秋田大学医学部卒業。永寿総合病院小児科部長。2017年7月より現職。日本小児科学会専門医。
住友 直文 先生(非常勤医師)/小柳 喬幸 先生(非常勤医師)

対象年齢

新生児から15歳(中学校3年生)まで

診療内容

乳児健診、学校健診で心雑音や心電図異常などの指摘を受けたお子さんの検査。先天性心疾患、川崎病などの既往を持つお子さんの検査、経過観察。

可能な検査

胸部レントゲン ・ 心電図 ・ 心エコー ・ 24時間記録心電図 ・ 運動負荷心電図

特徴

慶應義塾大学病院をはじめとする高度医療施設と連携し、診断、加療のご紹介および退院後のフォローも行います。
川崎病については当科での入院加療が可能です。その後も成長に伴い、一貫したフォローを行います。同大学より派遣の小児科循環器を専門とする医師と常勤担当医が、きめ細やかな診察によりお子さんの成長のサポートをいたします。

患者さんの付添いの方へ

当科では、このように小児科の中でも細分化された専門外来を開いております。各分野の専門医師が皆様の身近で診療いたします。身長や成長のお悩み、アレルギー、てんかんや発達の心配事、夜尿症や学校検尿のご相談など、まずは午前の一般外来をご受診の上、ご相談ください。

診察日

◆土曜日 14:00~17:00
外来診療予約専用TEL(通話料無料) 0800-800-6456【予約制】
※あらかじめ外来診療担当表をご確認の上、ご予約をお取りいただいてからご来院ください。

講座・イベントのご案内

◆医学健康講座 ※時間…14:00~15:00/会場…STRホール(新百合ヶ丘総合病院3F、定員150名、先着順)
5月14日(火) 歯科口腔外科治療と内科疾患
~こんな病気は歯科外科治療に注意~
歯科口腔外科
部長 喜久田 利弘 先生
5月15日(水) 自分でできるフットケア教えます
~自分の足でいつまでも歩けるように~
看護部
透析看護認定看護師 神川 由美子
5月17日(金) ~手足のしびれ・痛み~
脊椎・脊髄の病気と治療
脊椎脊髄末梢神経外科
医長 木村 孝興 先生
5月31日(金) 心不全の食事療法 栄養管理科
管理栄養士 山室 美紗恵
◆市民医学講演会 ※時間…14:30~15:30
5月28日(火) 膝の痛み
~手術治療もいろいろあります!~
副院長/整形外科 部長
齋藤 泉 先生
調布クレストンホテル8F
クレストンルーム(定員120名)

※ 講座の講師及び演題は予告なしに変更になる場合がございます。

2019年3月の救急車受け入れ台数は513台でした。