ホーム 広報紙 2019年1月号

日本トップレベルの
胆膵領域診療を目指す

新百合ヶ丘総合病院
内視鏡内科 部長
まきやま ひろあき
牧山 裕顕 医師
【プロフィール】
2001年岩手医科大学医学部卒業。北海道大学医学部消化器内科(旧第3内科)入局。2009年北海道大学大学院医学研究科博士課程卒。北海道大学病院、市立稚内病院、市立函館病院、札幌北楡病院、北見赤十字病院、横浜新緑総合病院。2014年より現職。
日本消化器病学会専門医/日本消化器内視鏡学会専門医・指導医/日本内科学会認定内科医/日本内科学会総合内科専門医/日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 内視鏡内科は消化器内科の一部署として機能しており、私が治療内視鏡を全般的に行っています。消化器内視鏡検査、治療というと、一般的なイメージは消化管の内視鏡(上部消化管…胃カメラ/下部消化管…大腸カメラ)をイメージすると思われます。特に消化管内視鏡治療の中で、2000年代前半から早期胃がん治療に保険収載されることとなったESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)は、その後、食道、大腸領域にも普及し、多くの施設で対応可能となっています。もちろん当院でも、早期胃がん、早期食道がん、早期大腸がんにESDを活用しています。このESDの技術は安全な処置具や技術、さらに処置のサポート器具が開発されたため、現在では標準的な病変に対しては、どの施設で行ってもある程度同じ結果が出るほどに手技が確立しました。

    一方で、現在がんの罹患率で上昇傾向を認めている膵臓がんや胆管がんといった胆膵領域の内視鏡技術は、消化管内視鏡医に比べて絶対的に人数が少なかったという背景もあり、未だに対応施設が限られているのが現状で、行える手技のレベルも施設により様々です。当院は大学病院やがんセンターと比べても遜色のない設備を整えて検査、治療を行っています。特に近年、膵臓がんをより早い段階で見つけるために有用とされているEUS(超音波内視鏡検査)も積極的に行っています。EUSは、CTやMRIで見つけられない胆石も見つけられる非常に有効な検査ですが、消化器内視鏡医でもきちんと

  • 使いこなせるスタッフがまだ少ないのが現状です。当院では私が主体となって胆膵内視鏡手技を行っており、大学病院やがんセンターと遜色のない診断精度、処置完遂率を誇っています。さらに当院のアドバンテージとして、胆膵内視鏡手技では日本トップクラスの実力を持った、埼玉医科大学国際医療センターの良沢昭銘教授と、宮崎大学医学部附属病院の河上洋主任教授が非常勤として手伝いに来てくださっています。ですから当院の胆膵領域における設備・診断・治療技術は日本トップレベルと言っても過言ではないと思います。

    消化器内視鏡領域のがんは、医学の進歩により定期的に内視鏡検査を受けていれば、手遅れで見つかることはまずありません(例外はあります)。ですからヘリコバクターピロリ菌のチェックは必ず一度は行い、ピロリ菌を保有していれば除菌治療を行い、除菌治療を行った場合は定期的に胃カメラを受けることをお勧めします。大腸がん検診も検便で陽性になった場合には、恥ずかしがらずに大腸カメラを受けることをお勧めします。最後に、胆膵領域がんについては早期がんの診断が確立されていませんが、疾患が見つかるきっかけとなる黄疸の最初のサインは尿に出ます。もし日中の尿の色が赤褐色になったら、他の自覚症状がなくても受診した方がよいでしょう。当院へご相談いただければ、最高のレベルの診察をいたします。

内視鏡内科の疾患と治療法

内視鏡治療とは、口や肛門からレンズのついた細い管を体の中に差し入れて、病気の診断・治療を行うことです

~胃・食道・大腸の内視鏡~

◆ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

1990年代半ばより先進的施設において、比較的大きな胃の腫瘍を一括切除するための内視鏡手技として胃のESDが開発されました。ESDでは従来の内視鏡的粘膜切除術(EMR)では切除できなかった大きな病変であっても一括切除が可能で、一括切除することによって局所再発を防ぐだけではなく、正確な病理組織診断が可能となり、治癒判定や追加治療の必要性の判断が容易となりました。早期胃がんにESDが適応される範囲は、リンパ節転移のない早期胃がんであることが前提となります(※リンパ節移転の可能性があっても、ESD治療が行える場合もあります)。

胃ESDは2006年4月に保険収載され、その技術は食道や大腸にも応用され、食道ESD、大腸ESDとして行われています。当院では、早期胃がん、胃腺腫、早期食道がん、早期大腸がん、大腸腺腫にESDを活用しています。 一方で、ESDはEMRに比べて技術的に難易度が高いこともあり、出血や穿孔などの合併症の頻度が高く、十分な訓練と経験を持った医師が治療することが望まれます。 当院では先進施設でESD実績のある専門医が治療を行っています。



早期胃がん・胃腺腫におけるESDの治療方法
  • 病変の範囲を内視鏡で観察した後病変の範囲を内視鏡で観察した後、病変周囲に印(マーキング)をつけ、切除すべき範囲を決めます
  • 病変および周囲の粘膜下層に専用の液体を注入病変および周囲の粘膜下層に専用の液体を注入して、病変を十分に浮かせます
  • 電気メスを用いて病変周囲の粘膜を全周切開マーキングを取り囲むように、電気メスを用いて病変周囲の粘膜を全周切開します
  • 粘膜下層の繊維や血管を直視下に確認しながら少しずつ剥離粘膜下層の繊維や血管を直視下に確認しながら少しずつ剥離し、最終的には病変を周囲粘膜ごと一括切除します
  • 検体を回収して終了切除後に血管の凝固処置を行い、検体を回収して終了となります
※治療時間は概ね1~2時間程度ですが、病変の大きさや繊維化の程度によってそれ以上かかることもあります

~胆膵の内視鏡~

◆ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)
内視鏡的逆行性胆道膵管造影

内視鏡を使って胆管・膵管を造影する検査です。口から十二指腸まで内視鏡を入れ、その先端から膵管・胆管の中にカテーテル(細い管)を挿入します。カテーテルから造影剤を入れて、膵管や胆管のX線写真をとります。同時に膵液や胆汁を採取したり、病変部から組織や細胞を取って検査を行うこともあります。

◇胆膵領域について

胆道は肝臓で作られた消化液である胆汁の流れ道です。胆汁は2本の肝管(左肝管、右肝管)を通って肝臓の外へ流れ、胆嚢へ蓄えられます。 食事をしたりして消化が必要になると胆嚢が収縮し、胆汁が総胆管と呼ばれる部分を流れ、十二指腸壁を貫いてファーター乳頭部から分泌されます。膵臓は、成人で長さ15cm程度の右側が太く左側が細いくさび型の臓器です。 膵臓の中には、膵臓で作られた膵液を十二指腸まで運ぶ管である膵管が通っています。 主膵管は、十二指腸につながる前に胆嚢から胆汁が流れてくる総胆管と合流します。

◇胆膵領域の疾患
胆道疾患
胆石、総胆管結石、感染性胆管炎、非感染性胆管炎、胆道腫瘍性疾患(胆嚢ポリープなどの良性腫瘍や、胆道がんなどの悪性腫瘍)などがあります。
膵疾患
急性膵炎、慢性膵炎、膵管内結石、自己免疫性膵炎、膵腫瘍性疾患(良性腫瘍や悪性腫瘍)などがあります。
◇胆膵領域の病気を疑う場合とは
自覚症状
右季肋部痛、背部痛、白目が黄色い、黄疸、褐色尿、灰白色便などの訴えがあるなどの場合
画像所見
胆嚢や膵臓に腫瘤や腫大が疑われたり、胆管や膵管の拡張が疑われるなどの場合
◇胆膵領域の内科的治療
投薬治療
胆嚢結石に対して手術をせずに経過を見なければならない場合や、免疫異常による疾患と診断された場合、さらには悪性腫瘍で切除不能と判断された場合は、集学的治療の一環として投薬治療を行います。
内視鏡治療
★当院は日本の
トップレベルです!
胆汁の流れが悪くなる閉塞性黄疸や、胆道系の感染症が疑われた場合などは、内視鏡治療が主体となります。具体的には結石の除去や、狭窄部分に対してステントといわれる器具を留置して症状の改善を試みます。

年間内視鏡件数

当院で年間に行っている内視鏡検査は約9,000件。治療内視鏡でのポリペクトミー(大腸ポリープ切除)は約300件、ESDは食道、胃、大腸を合わせて約80件程度です。胆膵系のERCP関連手技(胆石、膵がん、胆道がん、膵臓がん)は約200件、EUS関連手技も約200件程度行っています。

看護部コラム

インフルエンザ対策

感染対策室 感染管理認定看護師 井上美智


インフルエンザは、一般の「カゼ」とは異なり、インフルエンザウイルスによって起こる感染症です。
突然に発病し、悪寒・発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・全身倦怠などの症状で始まります。

■インフルエンザに感染しないためには

インフルエンザに感染しないためには

  1. こまめな手洗いを心掛けましょう(帰宅時や調理の前後、食事前など)。
    アルコールを含んだ消毒液で手を消毒するのも効果的です。
  2. 予防接種を受ける
    ワクチン接種(任意接種)をおすすめします。
    ワクチンを接種してもインフルエンザに罹ることはあります。しかし小児においては重症化(脳炎・脳症など)を予防する効果があります。

■インフルエンザに罹ってしまったら

インフルエンザに罹ってしまったら

  1. 発症から48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬の服用を開始すれば、発熱期間の短縮などの効果が期待できると言われています。早めに医療機関を受診しましょう。特にお年寄りやお子さん、妊婦さん、持病のある方は重症化しやすいため、医療機関を受診しましょう。
  2. 水分を補給しましょう。
  3. 咳エチケット

咳エチケットとは

せきやくしゃみなどで、空気中に飛ばされた飛沫を吸い込むことにより感染を引き起こします。1回のせきやくしゃみで体外に放出されるウイルスは1万~100万個とも言われており、飛沫の届く範囲も1~2mに及ぶとされています。

  1. 待合室には他の患者様もおられますので、咳やくしゃみなどの呼吸器症状がある方は、感染を防止するためにマスクを着用しましょう。
  2. せきやくしゃみをする時はティッシュなどで鼻や口を覆いましょう。
  3. 呼吸器分泌液を封じ込めるためにティッシュを使用し、ティッシュはゴミ箱に速やかに捨てましょう。
  4. 呼吸器分泌物やそれで汚染されたものに接触した後は、手を洗いましょう。
    (ティッシュを通り抜けたウイルスが手に付いています)
  5. 呼吸器感染症症状のある患者を診療するスタッフもマスク(飛沫感染予防用)を着用しましょう。

咳エチケットとは

引用・参考資料
首相官邸ホームページ:ページはこちらから

2019年1月4日より運行開始新百合ヶ丘総合病院~若葉台駅周辺 無料巡回バスルートのご案内

若葉台駅周辺無料巡回バス時刻表
※安全運行確保のため、乗降場所目安付近での乗降のみとさせていただきます。
※道路混雑の状況により到着時刻が遅れる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
※月曜から土曜の運行となります。(日曜日・祝祭日は運休)
  • 若葉台駅周辺無料巡回バスルート
  • 当院でご乗降できます

講座・イベントのご案内

◆医学健康講座 ※時間…14:00~15:00/会場…STRホール(新百合ヶ丘総合病院3F、定員150名、先着順)
1月18日(金) 糖尿病の診療の進歩
糖尿病の診療の進歩~日頃感じている糖尿病に関するさまざまな疑問・質問にQ&A形式で答えます~
糖尿病センター
センター長 岩本 安彦 先生
1月23日(水) 心不全こそ運動を!
~片足立ちできますか~
リハビリテーション科
宮澤 佳那
◆市民医学講演会 ※時間…14:30~15:30
1月24日(木) 手足のしびれ・腰痛と脊椎疾患
~新しい治療法としての脊椎内視鏡のご紹介~
低侵襲脊髄手術センター
センター長 水野 順一 先生
ベストウェスタンレンブラントホテル
東京町田/7Fアンバー(定員120名)
1月30日(水) 鼻の構造と病気あれこれ
~花粉症が手術で治る時代が来た~
耳鼻咽喉科 医長
大塚 邦憲 先生
調布クレストンホテル8F/
クレストンルーム(定員120名)

※ 講座の講師及び演題は予告なしに変更になる場合がございます。

2018年11月の救急車受け入れ台数は558台でした。