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2018年2月1日号

広報紙 しんゆりニュースレター vol.7

低侵襲手術支援ロボット
ダビンチで体にやさしい手術を

新百合ヶ丘総合病院
泌尿器科統括部長
ロボット手術センター長
よしおかくにひこ
吉岡邦彦医師
【プロフィール】
島根医科大学卒業 。慶應義塾大学医学部泌尿器科を経て、東京医科大学病院泌尿器科に入局。チュレーン大学留学・東京医科大学泌尿器科教授兼ロボット手術支援センターセンター長を経て、平成26年10月1日より、当院就任。前立腺がん・膀胱がん治療を得意とし、日本で初めて手術支援ロボット『ダビンチ』を泌尿器科手術に導入し、現在前立腺がん・膀胱がんのロボット手術件数は全国NO.1を誇る。ロボット手術の国際学会では日本人で唯一、Facultyとして選出されている。
日本泌尿器科学会専門医/指導医

ダビンチ手術とは、アメリカのインテュイティヴ・サージカル社が開発した手術支援用ロボット「ダビンチ(daVinci)」を用いた手術のことです。日本では、2006年に東京医科大学で私がこのロボット手術を初めて導入したので、前立腺がん・膀胱がんのロボット手術では日本で一番の経験数を誇っています。現在は日本全国の病院・大学に300台近くの「ダビンチ」が導入され、ダビンチ手術は一般的な手術となってきました。当院の泌尿器科では、1,500例を超える日本最多のロボット手術経験を有しています。患者さんの数は、当院開設当時の約2.5倍となっています。

ダビンチ手術を行うに当たっては、まず詳細な手術解剖、そして精密な手術を実行できる技術が必要になります。技術は練習あってこそなので、日々の練習は欠かさずに行っています。「ダビンチ」は3Dで手術中の視野を得られるのですが、肉眼で見る通常の世界とは少し異なっています。触覚はありませんが、経験を重ねるうちに力加減を掌握できるようになり、3Dの視覚か入ってくる情報が「バーチャルな触覚」となります。

この手術のメリットは、非常に繊細で緻密な手術操作が可能なことです。小さな鉗子を遠隔操作できるので、骨盤の中など狭いトンネルのような場所でも、ターゲットとしている部位に直接アプローチすることができます。また鉗子を入れる傷がとても小さいので、出血が少なく、術後の回復が早いため社会復帰が早くできるということもメリットです。前立腺がんの手術ですと、10日ほどで退院できます。よく患者さんに「退院したら、翌日ゴルフに行ってもいいですよ」とお話しするのですが、これでいかに体にやさしい手術かということがお分かりになると思います。(次項にダビンチの写真掲載あり)

当科では、より侵襲が低く安全性の高い手術を目指して日々切磋琢磨しております。また思いやりを持って患者さんに接することを心がけています。親切・丁寧な分かりやすい言葉で、すべての情報を患者さんにご提供します。セカンドオピニオンも広く受付けておりますので、お悩み事がございましたらぜひご相談ください。

泌尿器科

泌尿器科を受診の際は、ご予約をおとりの上、ご来院なさることをお勧めいたします。
【予約電話番号:0800-800-6456(9:00~17:00)】 ※月~土(日・祝日除く)

泌尿器科の特長 QOLを重視し、機能温存に取り組む治療

泌尿器科には4人の医師がおります。当院開設当初からロボット手術を中心とした最先端の診療を行ってきましたが、その他にも、排尿障害に対する治療、体外衝撃波結石破砕治療、前立腺肥大症や膀胱がんに対する内視鏡手術・腹腔鏡手術など、多岐に渡る疾患の診療・治療の幅を広げてまいりました。また当科では、膀胱がんで膀胱全摘出術をしなければならない患者さんの場合でも、術後のQOL(生活の質)を重視し、自然排尿型の尿路再建術に力を入れています。前立腺がんの治療法にはいくつかの選択肢がありますが、患者さんそれぞれの病気の状態を考慮した上で、患者さんとよく相談して治療法を決めます。患者さんにはすべての情報を、丁寧な分かりやすい言葉でご提供しています。

泌尿器科のがんと治療

◆膀胱がん
・・・60歳以上になると増加する傾向があり、女性よりも約3倍以上男性に多い疾患です。最初の症状として一番多くみられるのは血尿です。排尿時に痛みを感じたり、下腹部に痛みが起こることもあります。

手術(外科的治療)

  • ①TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)…専用の内視鏡を用いてがんを電気メスで切除する方法です。
  • ②膀胱全摘除術+尿路変向術・・・尿管切断のあと膀胱を摘出し、男性はは前立腺と精嚢も摘出します。女性は子宮と腟壁の一部、尿道を摘出します。骨盤内のリンパ節切除を併せて行います。当院では多くの場合、ダビンチによるロボット支援手術を施行します(開腹手術、腹腔鏡下手術の場合もあります)。尿を体外に排出するための手術は、回腸導管(小腸の一部と尿管をつなぎ、腹部の皮膚に縫いつけて尿を排出する出口“ストーマ”とする)が最も多く実施されていますが、尿管皮膚瘻(尿管断端をそのまま腹部皮膚面に出しストーマとする)や自排尿型新膀胱(小腸または大腸を縫いあわせて尿をためる袋「新膀胱」をつくり、尿道につなぐもの)なども行われています。

化学療法…通常、多臓器への転移のある症例は、膀胱全摘除術の適応外となるため、抗がん剤による化学療法が治療の中心となります。

低侵襲手術支援ロボット ダビンチ(daVinci)

ダビンチは、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発されました。高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像のもと、人間の手の動きを正確に再現する装置です。術者は鮮明な画像を見ながら、人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた鉗子を使用し、精緻な手術を行うことができます。

ダビンチはサージョンコンソール、ペイシェントカート、ビジョンカートの3つの機器によって構成されています。

  • ❶「サージョンコンソール」とよばれる操縦席に座り、3D画像を見ながら手元のコントローラーを操作します。
  • ❷「ペイシェントカート」の4本のロボットアームにその動きが伝わります。
  • ❸「ビジョンカート」のモニターに手術中の画像が映し出され、手術スタッフも同じ画像が共有されます。
◆前立腺がん
・・・前立腺肥大症とともに、中高年の男性が注意すべき前立腺の病気のひとつです。初期には自覚症状がほ とんどありません。しかしゆっくりと進行するため、早期に発見して適切な治療を行えば治りやすいとされるがんです。

待機療法(PSA監視療法)…PSAとは前立腺特異抗原のことで、基準値以上の場合は前立腺がんの疑いがあります。特に 治療を行わなくても余命に影響がないと判断される場合、PSA値を定期的に測定してがんを監視していきます。

局所的治療

  • ①手術(前立腺全摘出術)・・・がんが前立腺の中にとどまっていて、10年以上の余命が期待できる場合には、最も治療効果が期待できます。がんを完全に取り去り、治癒することを目的とします。前立腺、精のうを摘出し、尿道と膀胱を縫ってつなぎます。当院では多くの場合、ダビンチによるロボット支援手術を行っています(開腹手術の場合もあります)。
  • ②放射線治療…転移のない前立腺がんに対して、治癒を目的として放射線治療を行うことがあります。放射線治療には、体の外から放射線を当てる「外照射法」と、放射性物質を体の中に埋め込む「内照射法(小線源治療)」があります。

全身的治療

  • ①内分泌療法(ホルモン療法)・・・主に転移のある前立腺がんに対して行われます。転移したがん細胞にも効力が期待できます。また、手術療法や放射線治療の前あるいは後に、短期間の内分泌療法が併用されることもあります。
  • ②抗がん剤治療(化学療法)・・・内分泌療法が効力を持たない、または内分泌療法の効果がなくなったときに、抗がん剤治療(化学療法)が行われます。

「ソーシャルワーカーという職種をご存じですか?」

医療福祉課 主任/社会福祉士 嶋崎 晃

三寒四温の季節、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、健康が一番と良く申しますが、病気や怪我で日常生活が一変してしまった時、病気や怪我以外のことでも様々なことで不安や困難に直面することがあると思います。そうした時に患者さん・ご家族と相談し一緒に考え、少しでも問題解決のお手伝いをしているのが、私たち医療ソーシャルワーカーです。

当院の医療福祉課には社会福祉士や精神保健福祉士、介護支援専門員等の資格を有した医療ソーシャルワーカーが現在7名おります。

当院の医療福祉課の特徴は、病棟担当制としているところです。スタッフ連携を密に行うことで、患者さん・ご家族に寄りそった支援を行うことを目的にお声かけをさせていただいたり、相談に応じたりしておりますので、お困りごとやご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。

病気になったらこんな心配も・・・

~ 誰に相談していいかわからない時は ソーシャルワーカー にお話しください ~

通訳的役割
病院のスタッフとのやりとりが難しいと感じたら、通訳的な役割を果たします。
権利擁護的役割
みなさまの基本的な人権を尊重するために動きます。
患者さま・ご家族の
お気持ちや立場の理解と共有
みなさまがどのような気持ちで、どのような状況に置かれているかを病院のスタッフに伝え、チームでみなさんをサポートします。
ゆっくりと話を伺います
話し合う中から解決の糸口がみつかることがあります。あなたの「こうしたい」「こうありたい」をお話しください。
紹介・連携
病院の中で相談にのりきれない事柄については適切な機関や施設と連絡をとりあい、紹介します。私達は日ごろから相談機関や施設とのネットワークを構築しています。
情報提供によるサポート
さまざまな制度、しくみがどうなっているか、情報を集め、お伝えします。情報が手に入ると、どうしていくといいかが見えてくる可能性があります。
退院時のさまざまな援助を
行います
退院時は、気持ちの準備、物の準備、サービスの準備など、さまざまな準備を必要とします。また、病院は機能分化し、病気が治るまでひとつの病院で過ごすことが難しくなりました。ソーシャルワーカーは、退院援助としてさまざまな相談をお受けしています。

公益社団法人日本医療社会福祉協会HP(https://www.jaswhs.or.jp/)より引用

電  話
044-322-0185(直通)
予約優先となります。事前にご連絡をいただけますと幸いです。)
場  所
1階 総合受付事務所内(総合案内にてお声かけください。)
利用時間
8:30~17:30(日曜・祝祭日は除く)
受付時間
8:30~16:30(日曜・祝祭日は除く)
専門外来のご案内
大澤 美貴雄医師

肝臓専門外来

肝臓のトータルマネジメントをしています

肝臓内科 部長 椎名 正明(しいな まさあき) 先生

医学博士/日本内科学会総合内科専門医・指導医/日本肝臓学会専門医・指導医/ 日本消化器病学会専門医・指導医/日本消化器内視鏡学会専門医・指導医/日本医師会認定産業医

専門外来の特長

血液検査異常をはじめ、腹水、浮腫、がん、食道静脈瘤などをもたらす多種多様な肝疾患の診療をしています。
必要に応じて、他科との連携や入院での検査・治療をおこないます。

肝臓の検査

血液検査
一般の生化学検査のほか、肝炎ウィルスや免疫学的検査、腫瘍マーカーなども適宜測定します。
画像検査
腹部超音波(通称、エコー)を基本に、造影CT、造影MRIを駆使して診断します。当院の3.0T MRIでは、エラストグラフィーを追加することにより、肝硬度や脂肪化の補助診断も可能です。肝腫瘤の精密検査においては、専門医自ら造影超音波をおこなっています。この検査は喘息を理由にCT/MRIの造影検査ができない患者さんにも有用です。
組織検査
画像検査では鑑別が難しい腫瘤や、特殊な病気が疑われる場合には、肝生検/病理学的診断へと進めます。こちらは2〜3日の入院になります。

肝臓の治療

ウィルス性肝炎
B型肝炎やC型肝炎は治療薬の劇的な進歩により、一部を除いて外来治療が可能になりました。 特にC型肝炎は8〜12週間の内服治療で95%以上のウィルス排除率が望めるうえ、副作用も軽微です。
肝硬変
あらゆる肝臓病の終末状態とされる肝硬変には根本的な治療がなく、多様な病態や症状に応じた投薬や処置が必要です。薬剤不応性の腹水に対しては、腹水ろ過濃縮再静注や腹腔静脈シャント留置など、腎臓内科や外科と連携して施行することもあります。
肝腫瘍
肝悪性腫瘍の多くは肝細胞癌であり、個々の病態に応じて推奨される治療法が変わってきます。当科では、局所療法(ラジオ波/マイクロ波焼灼、エタノール注入)、カテーテル治療(血管塞栓術)、抗がん剤内服治療を行っています。
食道胃静脈瘤
肝臓病が進行すると、門脈と呼ばれる血管の流れに変化が生じ、主に食道や胃の表面に静脈瘤という“血管のこぶ”ができやすくなります。静脈瘤は破裂すると吐血や出血性ショックの原因になるため、治療が必要です。内視鏡的結紮(けっさつ)術や硬化療法は当科で、カテーテル治療が必要な場合は放射線科と連携して治療しています。

患者さんへ

「健診で肝機能異常を指摘された」、「ほかの病気で検査をしたら、肝臓に影が見つかった」というのが、当外来受診理由の大半を占めています。精密検査後は経過観察で十分なことが多いので、心配し過ぎずに一度は専門医の診察を受けてみましょう。

診療日

◆水曜日 午前
外来診療予約専用TEL(通話料無料) 0800-800-6456【予約制】
外来診療担当表をご確認の上、ご予約をお取りいただいてからご来院下さい。

講座・イベントのご案内

医学健康講座

※時間…14:00~15:00/会場…STRホール(新百合ヶ丘総合病院3F、定員150名、先着順)
2月7日(水) ペースメーカーとのつきあい方 ~正しく知れば怖くない~ 循環器内科 吉竹 貴克 先生
臨床工学科 渡邉 季夫
2月9日(金) おしりと排便の悩みを解決する 消化器外科 榎本 浩也 先生
2月21日(水) 糖尿病の薬について 薬剤科 添野 聖恵 薬剤師

市民医学講演会

※時間…14:30~15:30
2月8日(木) よくある肝臓の質問にお答えします 肝臓内科 部長
椎名 正明 先生
小田急ホテル相模大野
8F相模野(定員120名)
2月13日(火) 高血圧と高脂血症
~外来でよくある質問から~
内科 部長
原田 裕子 先生
町田ベストウエスタンレンブ
ラントホテルB2翡翠(120名)
2月22日(木) 咽頭から覗く世界と日本
~グローバル化がもたらした、
あらたな生活習慣病~
耳鼻咽喉科 部長
田路 正夫 先生
小田急ホテル相模大野
8F相模野(定員120名)
2月28日(水) ロコモ予防で元気に長生き! 骨軟部腫瘍研究所 所長
別府 保男 先生
町田ベストウエスタンレンブ
ラントホテルB2翡翠(120名)

※ 講座の講師及び演題は予告なしに変更になる場合がございます。

2017年12月の救急車受け入れ台数は600台でした。