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2017年10月1日号

広報紙 しんゆりニュースレター vol.3

最新の治療で信頼される消化器内科へ

新百合ヶ丘総合病院
消化器・肝臓病研究所 所長
いまわり みちお
井廻 道夫 医師
【プロフィール】
東京大学医学部卒業。昭和大学医学部
消化器内科学部門教授等を経て現職。
日本内科学会認定内科医・指導医
日本消化器病学会認定消化器病専門医・指導医
日本肝臓学会認定肝臓専門医・指導医
  • 消化器内科で扱う病気は、軽度の腹痛、下痢から緊急処置の必要な吐血、下血、さらには消化器系の癌と、患者さんの数が多い上に、扱う病気もさまざまです。平成24年の開院時には、私を含め4人のスタッフでスタートしました。当初は患者さんの数もそれほど多くなく、4人で何とかなっていましたが、それでも4人の得意でない分野の患者さんや、あまりにも重症の患者さんは近隣の大学病院にお願いしていました。

    しかし、当病院の充実した内視鏡検査設備、先端的な超音波装置、CT装置、MRI装置等に魅力があったこともあるのでしょうか、徐々にスタッフの数が増えました。現在は11名のスタッフがそれぞれの専門分野を担当し、消化管疾患から肝疾患、胆膵疾患まで、すべての消化器疾患をカバーできるようになりました。

    病院がオープンした1年半後の平成26年はじめの消化器内科における外来患者数、入院患者数、胃内視鏡検査数、大腸内視鏡検査数はそれぞれ月に約1,000人、40人、100件、60件でしたが、

  • オープン5年後の本年6月には、それぞれ約2,000人、100人、220件、190件と着実に増加しています。近隣にお住いの皆さんや、開業医の先生方の信頼を得られたのではないかと思っています。これは大きな変化です。

    私たちがカバーしている病気は、逆流性食道炎、食道癌、胃炎、胃潰瘍、胃癌、大腸炎、炎症性腸疾患、大腸ポリープ、大腸癌、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝疾患、自己免疫性肝疾患、肝癌、胆石、胆嚢炎、胆管炎、胆嚢ポリープ、胆道癌、急性・慢性膵炎、嚢胞性膵疾患、膵癌と、多岐に渡ります。消化器外科、放射線科などの他科とも協力しながら、診断、治療に努めています。

    近年、画像診断と内視鏡治療は急速に進歩しています。サイバーナイフを使った癌治療もこの病院が得意とするところです。今後も新しい診断法、治療法を積極的に導入し、最新の治療を提供していきます。そして信頼される消化器内科として、患者さんの健康に貢献したいと考えています。

最新の画像診断で
小さな肝がんも見逃さない!

肝疾患低侵襲治療センター長・内視鏡センター長
國分 茂博 医師

一般財団法人 脳神経疾患研究所附属肝疾患低侵襲治療研究所 所長/
肝臓学会専門医・指導医/超音波医学会専門医・指導医/消化器内視鏡学会専門医・指導医/消化器病学会専門医・指導医/日本門脈圧亢進症学会理事/日本医師会疑義解釈委員

最新の画像診断

当院では最先端の肝がんの治療を行っています。特に画像診断は進んでいて、画面の右にMRIの画像、左にリアルタイムの超音波を同時に映し出しながら診断できる機器があるのです。原発性肝がんだけでなく、転移性肝がんもMRIでの検出率が一番高いです。また当院には、東京都内・神奈川県内に数台しかないMRエラストグラフィがあり、肝硬度や脂肪率などを数値で知ることができます。以前は患者さんを触診のみで診断していましたが、いまは数値で進行具合を評価できるようになりました。そしてEOBというMRIの造影剤を使用すると、肝内の結節の存在をいち早く発見できます。経過観察をする症例か、精査をするべき症例かの判断が早めにできて、治療がとてもスムーズです。

肝がんと肝硬変

肝がんは、肺や腎臓など他の臓器のがんとは唯一違う点があります。それは、MRIで小さな2センチ以下の癌が見つかっても、同時に肝硬変が進んでいたら、肝硬変を治療しない限り癌の治療をすることができないことです。そこが難しいところです。肝硬変によって血液が流れにくくなると、門脈という静脈系の血液が逆流し、胃や食道に静脈瘤ができてしまうことがあります。その一番の治療法は内視鏡治療であり、次はIVR(インターベンショナル・ラジオロジー/画像下治療)です。当院は胃静脈瘤の治療であるBRTO(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術)の全国治験をまとめた実績があり、専門にしておりますので、肝硬変と肝がんを両睨みで治療可能なところが強みとなっています。内視鏡の症例数も年々増えていて、昨年は9,700件を超えました。

読者へのメッセージ

肝がんは、早く見つけて早く治療することが重要です。診断が早ければ、計画を立てて治療していくことができるので、仕事や生活の目途も立てやすいと思います。もし健康診断で脂肪肝やちょっとした肝障害があった場合には、ぜひ当院を受診してください。自信をもって患者さんに適切な治療を提供いたします。

ウイルス性肝炎について

副院長 消化器内科部長 廣石 和正 医師
日本内科学会認定内科医/総合内科専門医・指導医/日本消化器病学会専門医・指導医/日本肝臓学会専門医・指導医/日本がん治療認定医機構がん治療認定医

ウイルス性肝炎は感染しているウイルスにより、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎と名付けられています。D型肝炎は日本ではあまり見られません。A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、E型肝炎は、いずれも急性肝炎で発症することがあります。A型肝炎とE型肝炎は主に食物を介して感染し、ときに集団での感染が見られます。

肝炎が重症化し肝機能が低下して肝不全に陥ると、出血傾向、肝性脳症、腹水などが出現することがあります。この状態を劇症肝炎といい、患者さんの生命が危険な状態に陥るため、集中的な治療が必要になります。内科的な治療では約40%、肝移植では約70%が救命できるといわれています。

B型肝炎、C型肝炎は慢性化することがあり、適切な経過観察や治療が必要です。これらの肝炎は、患者さんの血液や体液が、傷口や粘膜に接触することで感染します。

B型肝炎は、新生児期や幼少期に感染すると高率に慢性化します。近年、成人での感染でも慢性化する例が増加しています。抗ウイルス薬(核酸アナログ製剤、インターフェロン)が開発されており、適切に使用することで、肝炎の進行を抑えることが可能になってきました。

C型肝炎は、急性肝炎で発症した際に無治療で放置すると、70%が慢性肝炎になります。肝炎が進行すると、肝硬変になったり、肝癌を合併したりすることがあります。近年、副作用の少ない直接作用型抗ウイルス薬が開発され、95%の割合でウイルスを排除できるようになりましたので、慢性肝炎の方は早めに専門医にご相談ください。

消化器内科を受診の際は、ご予約をお取りの上、ご来院なさることをお勧めいたします。

【予約電話番号:0800-800-6456(9:00~17:00)】 ※月~土(日・祝日除く)

一日でも早い社会復帰を目指します

リハビリテーション科 科長代行 理学療法士 古川 広明

日増しに秋の深まりを感じる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

当科では、入院患者さんに、日曜日や祝日もリハビリテーションを提供できる体制を整えております。退院後も患者さんを支えるべく、外来や訪問でのリハビリテーションも実施させていただいております。また、チーム編成を組むことにより、より専門的なアプローチを心掛けております。

患者さんの1日でも早い社会復帰を目指し、スタッフ一同精進いたします。

西山卓志
脳外班リーダー
理学療法士
西山 卓志
患者さんの人生が豊かになるように、リハビリテーションを通してお手伝いが出来ればと思います。チーム一丸となって頑張っていきます。
松本 拓
整形外科班リーダー
理学療法士
松本 拓
「リハビリは楽しい」と思っていただけるよう、患者さんの視点を忘れずリハビリを提供します。いつまでも笑顔の絶えない生活が送れるようサポートしていきます。
秋山真奈美
総合班リーダー
理学療法士
秋山 真奈美
歩けない、動けない方だけでなく、患者さんやご家族様も笑顔になっていただけるよう、それぞれの専門分野の知識を集約してチーム一丸となって支援していきます。
集中ケア認定看護師 山口 有里
心臓班リーダー
理学療法士
下村 聡
「継続は力なり」心臓リハビリは自己管理や運動を継続して行うことが大切です。退院後も外来での運動指導を通じて継続的なリハビリが行えるようサポートしていきます。
集中ケア認定看護師 山口 有里
外来班リーダー
理学療法士
小牧 俊也
生活・運動・仕事がより良く行えるように一緒に考えましょう。
集中ケア認定看護師 山口 有里
作業療法班リーダー
作業療法士
森 久晃
「リハビリとは続けるものだからこそ楽しくなければいけない」を目標とし、日々患者さんの生活に寄り添ったリハビリを行うよう頑張っていきます。
集中ケア認定看護師 山口 有里
言語聴覚班リーダー
言語聴覚士
小杉 剛
言語聴覚士はリハビリの分野でもまだ歴史が短く、若い分野です。日々進歩する学問・技術に遅れをとらないよう日々研鑽を重ねて、患者さんの回復の一助になれる様、頑張っていきます。
集中ケア認定看護師 山口 有里
訪問リーダー
理学療法士
石川 茂幸
住み慣れた地域で、いつまでも楽しく生活を。今日も元気に新百合を駆け抜けていきます。
理学療法(PT…Physical Therapy)
理学療法では、病気や事故等により失われた身体機能を改善するために、専門知識・技術を持った理学療法士が医師の指示のもと訓練を行います。関節可動域の拡大・筋力強化・心肺機能の向上など、運動機能に直接働きかける治療から、基本動作・歩行・階段昇降など、日常生活に必要な動作訓練を行います。
作業療法(OT…Occupational Therapy)
作業療法は、機能訓練や作業活動を通して、身体機能の回復などを目的にリハビリテーションを提供していきます。日常生活に関わる動作から、手の巧緻動作(手先の細かな動作)などの訓練を行います。
言語聴覚療法(ST…Speech-Language-Hearing Therapy)
言語聴覚療法では、成人の言語障害全般(構音障害、高次脳機能障害、失語症、吃音)の、話す、聞く、読む、書くなどの日常生活に必要なコミュニケーションに対する訓練を行います。また、食べ物がむせてうまく食べられない摂食・嚥下障害に対してのアプローチも行います。

専門外来のご案内

田路正夫医師

頭頸部・甲状腺腫瘍外来

甲状腺を含めた頭頸部領域に生じた腫瘍に対して診断・治療を行います。

耳鼻咽喉科 部長 田路 正夫(とうじ まさお) 先生

日本耳鼻咽喉科学会認定専門医(慶應義塾大学医学部 非常勤講師)

専門外来の特長

頭頸部甲状腺腫瘍外来では、頭頸部領域の良性及び悪性腫瘍(癌)の診断と治療を行っております。頭頸部癌の種類は多彩で、甲状腺癌、舌癌、上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌、耳下腺癌、顎下腺癌、外耳道癌、原発の不明な頸部転移癌などが挙げられます。甲状腺癌の殆どは分化癌と呼ばれ、進行が遅く治しやすい癌ですが、高危険群と呼ばれる一割の患者さんは、再発転移を繰り返し長期の闘病を余儀なくされます。一方、甲状腺未分化癌は稀な疾患ながら、進行の極めて速い恐ろしい癌です。いずれの癌も病期、組織型によって治療法が異なりますが、頭頸部領域にはみる、きく、嗅ぐ、味わう、表情を作る、のみ込む、話すといった、生活に直接関わる重要な機能が集中しています。よって治療に際し、美容を含め生活の質を保つために細心の工夫を要します。

患者さんへのメッセージ

当外来では、開院以来500人以上の頭頸部癌患者さんを治療してまいりました。多くは他院からご紹介いただいた再発転移の患者さんですが、他院で提案された治療を様々な理由で受け入れられず、当院を訪れる患者さんも少なくありません。当外来の特徴を一言で言えば、諦めない治療を提供すること、また、患者さんの考え方、感受性を尊重し、病態を個別化した低侵襲治療を提案できることにあります。

標準治療とは、統計学的根拠に基づいて選別された最適治療と定義されますが、統計学的に証明された優劣に重きを置くあまり、患者さんを厳しい治療に当て嵌めるようになりがちです。ご高齢の方には最上の治療と言えない場合があり、また心理的肉体的に厳しい治療を受け入れられない患者さんの反発を招くことが往々にしてあります。当外来では標準治療を患者さんに当てはめることに汲々としていません。標準治療も絶えず移り変わる運命にあるからです。例えば現時点に於ける進行咽喉頭癌の標準治療は、領域照射を主体とした放射線化学同時併用療法ですが、5年生存率では優位であったものの、10年以上の長期経過観察では全生存率が劣ることが最近になって判明しました。またごく最近、免疫チェックポイント阻害薬が登場し、癌治療全体の地殻変動が起きつつあります。長寿の時代の癌医療は、複数の癌に罹患しうる脅威を考慮すれば、高度なテクノロジーに支えられた低侵襲治療と、免疫治療を主体とした複合治療へとシフトしていくことは疑いを入れません。当外来では、低侵襲な個別化治療の謂である定位放射線治療を中心に、苦しくない化学療法、機能温存手術、免疫チェックポイント阻害薬を、保険医療の枠組みの中で積極的に組み入れ、患者さんにとって最適かつ低侵襲な治療を提供するという、患者さんの方を向いた本来の医療の姿を目指しています。

診療日

月曜日 13:00~17:00 水曜日 13:00~17:00
外来診療予約専用TEL(通話料無料) 0800-800-6456【予約制】
※諸事情により変更・休診になることがございます。あらかじめ、外来診療担当表をご確認の上、ご予約をお取りいただいてからお越し下さい。

講座・イベントのご案内

医学健康講座

※時間…14:00~15:00/会場…STRホール(新百合ヶ丘総合病院3F、定員150名、先着順)
10月4日(水) がんPET検査について
~検査から診断まで詳しくご説明いたします~
放射線診断科 医長 日高 史貴 先生
10月13日(金) 脳ドックでよく見かけるMRI所見の話
~診察室でよくある質問から~
神経内科 科長 杉江 正行 先生
10月20日(金)

ご高齢者のひざの痛み
~さまざまな手術療法について~

整形外科 三橋 祥太 先生

市民医学講演会

※時間…14:30~15:30
10月17日(火) ~加齢に伴って頻度が増える不整脈~
心房細動の治療法
循環器内科 医長
佐藤 弘典 先生
永山公民館
5F ベルブホール
10月24日(火) 動脈と静脈
~あなたの足は治療適応?~
血管外科
小澤 博嗣 先生
小田急ホテル相模大野
8F 相模大野

※ 講座の講師及び演題は予告なしに変更になる場合がございます。

■8月29日(火)の第256回医学健康講座におきまして、延べ2万人目の参加者の方をお迎えすることができました。これも日頃よりご参加いただきました皆様のおかげでございます。2万人目の方には、記念品を贈呈させていただきました。これからもわかり易くお役にたつ医学健康講座をご用意し、皆様のご来場をお待ちしております。

2017年8月の手術件数は521件、救急車受け入れ台数は653台でした。