概要|新百合ヶ丘総合病院

すべては患者さんのために

概要





<プロフィール>


 新百合ヶ丘総合病院 名誉院長
 内閣官房参与(少子化対策・子育て支援担当)
 福島県立医科大学 副学長
 慶應義塾大学 名誉教授
 一般社団法人 吉村やすのり生命(いのち)の環境研究所 代表理事













動画でのご挨拶

 

 ① ご挨拶
 ② 現在のお仕事
 ③ 名誉院長就任の経緯
 ④ 当院(産婦人科)の印象
 ⑤ 皆さまへのメッセージ


メッセージ

-全体朝礼で先生が毎月講話をされますが、そのテーマ選びについて

 理事長、院長が経営のことを話されるので、皆さんが関心・興味を持たれる事、医療人と して知っておいた方がよい事をテーマにしています。1週間から10日前にテーマを選び、 皆さんにとっての朝の15分間が意味あるようにお話をしているつもりです。
 私は年間50回ほど地方で講演するのですが、充分準備をしてから講演をすることにしています。講演は メッセージですので、かなり力を入れてお話をします。従いましてどういった事が皆さんに興味を持たれるのか、いつも気を付けています。1か月に1~2回、ためになる事、教養人として必要な事をお話出来たらと思っています。
(今日も朝礼があり、森友問題『忖度』についてご準備されていましたが、話が変わりそう な情勢なのでお話しされませんでした。今後のテーマにはなるとの事。)   

-先日、24人に1人の割合で生殖医療補助を受けているとの新聞記事を見て
その数字の多さに驚き、また成長したその子供たちの気持ちを思う

 不妊治療を受けたい方をクライアントと言います。クライアントが、子供が欲しいときの治療について、クライアントは自立性(オートノミー)で医療を受けられますが、生まれてくる子供に対しては同意を得ることはできません。通常の医療では、自己決定権(オートノミー)で治療を選択できますが、生殖医療では、自己決定権だけでは問題が片付かない場合があることを、医療従事者もクライアントも知っておくべきです。
 例えば、性同一性障害の方はAIDで子供を作ります。子供が産まれれば彼らは嬉しいかもしれませんが、子供は嫡出子にはなれないことがありました。生殖医療の難しさはそういうところにあるし、クライアントも悩むわけです。私は生殖医療においては、究極の倫理性は求められない、倫理的に正しいことはあり得ないといつも思うのです。AIDで精子を受けて子供を産んだ場合、親は普通子供に告げませんが、子供がそれを知ってしまうとアイデンティクライシスなど大変な事にもなり得ます。生殖医療は子供を最優先に考えなければなりません。
 しかしながら、体外受精技術ができたから卵子の提供もできたし、代理懐胎もできたし、 精子がなくても子供が生まれるようになり、人類に貢献したわけです。一方、パンドラの箱を空けてしまって、様々な問題点が起きてきました。ただ体外受精の技術が悪いわけではなく、使う人間側がどのように使っていくのかを考えればよいと思っています。

-内閣官房参与のお仕事について

 私は産婦人科医として高齢妊娠・高齢出産が多いと感じます。最終的な結論として、若いうちから妊娠の仕組み・からだの仕組みを理解していなかった、教育されてこなかったことが問題だと思います。それではいけないと思い、またそれをするのは産婦人科医の役目であるとの思い、産婦人科医が教育してこなかった事に責任があるとの思いから今の仕事をさせていただいています。そういう意味では非常にやりがいのある仕事と思います。
 また、今は100万人の子供が産まれて1億人を背負っていますが、40年後の2055年頃には、50万人の子供が9000万人を背負っていく社会になります。世界において今だかつて経験したことがない国になっていきます。今の政府にとって喫緊の最大の課題は、防衛でも経済でもなく少子化問題です。このままでは日本の国が無くなるという危機的認識を政府も国民全員も持たないと大変なことになります。私はそういう危機感があって産婦人科医としてこのお仕事をさせていただき4年になります。私の人生において、この仕事は非常に意味のある事だと思っています。

-今の政府の少子化問題に対するスタンスは

  3、4年前は少子化という言葉が前面に出ていました。2年前には希望出生率1.8の数字を 掲げたのですが、今は全くなくなってしまっています。少子化担当大臣の名前もなくなってしまっています。これはどういうことかというと、
1.8に到達することが並大抵ではないという、とてつもなく大変な事というのが判ってきたのです。そこで女性活躍・待機児童問題に方向転換しています、これは1.8をカモフラージュしており、本丸に攻めてはおりません。少子化問題への対応は若い人たちに子供を産んでもらう、育ててもらう環境を整えないといけないといけません。子供の養育費や教育費を無償化しないと子供さんを産んでくれません。そのためにはかなりの財源投資が必要になります。
 少子化危機を克服した諸国はGDPの3~4%を子育てに費やしているが、日本は1.4%しか費やしてきていません。若い人たちは子供を産んで本当に育てられるだろうかという不安があり、産んでいただけない状況にあると思います。危機感が共有できていないと思います 本当ならば消費税を15%位にしないと、高等教育無償化の4兆円は対応できません。
 現在1人の老人を2.8人で支えているが、40年後は1人の老人を1人で支える肩車状態 です。社会保障制度・医療制度が完全に破たん・崩壊している状況です。私はこの危機状態で あることを訴える役だと思っています。現在合計特殊出生率は少し上がってきて1.45%にな っていますが、今年の5、6月に本年データが公開され、産まれてくる子供は100万人を割り 98万人になり大変騒がれると思います。
 体外受精をしても、40歳で子供が授かる割合は10組に1組、45歳だと100組に1組です。月経があるといつまでも産めると思っているのは大きな間違いです。40歳を超えるとほとんど妊娠できないことを認識すべきです。人は、良くない事は悪い方に考え、良い事は良い方に考えます。例えば乳がんの生存率が80%というと、20%も死ぬのかと思い、妊娠率 20%というと20%も産めるのかと思います。妊娠は良い方に考える傾向にあります。
 生殖医療/先進医療に携わってきて反省する事として、本当に人類にとって良かったのかと思うことがあります。生殖医療では、自己決定権だけでは決められないことがあり、産まれてくる子供からの制約、社会からの制約などがあります。例として、子供が親を訴えることもあり得ます。夫婦は同意しても、子供の同意は得られないという特殊性があり、生殖医療は考えさせられます。

-結婚しなくても子供が欲しいというと、日本では『エッ?』と言う

 日本では、結婚しなくても子供が欲しいというと『エッ?』と言います、『エッ?』と言う こと自体がおかしい、既成概念にとらわれています。日本では98%が婚内子、婚外子(シングルマザーなど)は2%です。ヨーロッパで出生率2以上の国、例えばフランスでは60%が婚外子です。つまり、婚外子でも育てられる環境を作らないとダメなんです。制度は日本でも良くなってきていますが、意識を変えないと良くならないです。
私は常々、『社会』と『企業(職場)』と『男性』の意識を変えない限り少子化は突破できないと言っています。『エッ?』という意識を変えないといけません。
 日本では性別役割分担意識がありますが、海外ではその意識は日本より圧倒的に少ないです。子供は2人で育てないと女性は仕事が出来ません。近年企業の意識は凄く変わってきており、女性が働かなければ労働力人口が減るのが明らかなので女性にいかに働いていただくか、女性が働きやすい環境を考えています。一方、社会の意識、男性の意識は全然変わっていない。
 面白い話として、ヨーロッバにおいて少子化で苦しんでいる国は、ドイツとイタリアだけなんです。これは三国同盟を思い起こさせます。モノの考え方や社会の制度がドイツ、イタリ ア、日本では似てるんです。制度を変えることは結構できますが、意識を変えることぐらい 難しいことはないです。
 日本人はだらだらと働くのです。もっと効率良く仕事しないとダメですね、残業しちゃダメです。働く意識を変えないとダメです。メリハリが大事です。



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