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ペインクリニック内科


ペインクリニックとは

痛みの治療を専門にしている診療部門である。薬物療法の他に神経ブロックという治療手段を積極的に応用している。神経ブロックというのは、神経に局所麻酔薬を作用させ、神経の伝動を遮断し、痛みを感じなくさせたり、血管を拡張させ血流を改善し治癒を促したり、筋肉の凝りを除去することによって症状を改善する強力な治療手段である。局所麻酔薬以外に、高周波熱凝固法を応用して治療効果の持続期間を長期化する場合もある。

治療開始に際しては、痛みの原因を適確に診断して、身体的な痛みを冷静に評価し、薬物療法と神経ブロック療法の適応を判断する。痛みの原因についてについて患者さんが十分に理解できるよう説明し、患者さんと医師は互いに協力し合って治療を行うことが必須である。

症状によっては複数の診療科と共に、家族や職場とも連携した集学的なチーム医療が求められる。 なお、神経ブロック療法は処置後30~120分、安静時間が必要であり、時間が取れない場合は実施できないことがある。 ペインクリニックで最もよく応用している神経ブロック療法には星状神経節ブロックと硬膜外ブロックがあるが、そのほか多数の神経ブロックが行われる。

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主な治療法

星状神経節ブロック

ペインクリニック外来で非常によく利用される治療手段。顔面・頭部から上胸部より上の領域の痛みや、多彩な症状に適応がある。具体的な疾患としては、顔面神経麻痺・突発性難聴・頭痛・頸肩腕領域の痛み(頸椎症性神経根症など)・上肢血行障害・帯状疱疹など。


硬膜外ブロック・持続硬膜外ブロック

脊髄の外側にある硬膜外腔という空間に局所麻酔薬を投与し、痛みをはじめとする苦痛を取り除くのが硬膜外ブロック。外来での硬膜外ブロックの効果が弱いときや、通院が難しいときには、入院して持続硬膜外ブロックを行う。 具体的には、硬膜外に細いカテーテルを留置し、カテーテルから薬を注入する。これにより1日複数回また持続的に注入できるため、集中的にブロック治療が行える。入院期間は1-4週間程度。腰下肢痛が強く通院が辛いケースや、帯状疱疹・がんに伴う痛みなど、多くの治療にも用いる。


三叉神経ブロック

眼窩下神経ブロックと下顎神経ブロックが一番応用される機会が多い。局所麻酔薬単独で行われることもあるが、三叉神経痛では高周波熱凝固法が行われる。


脊髄電気刺激療法(SCS療法)

神経ブロックや内服薬では効果が得られないケースや、手術等も難しい慢性の難治性疼痛(CRPS・フェイルドバック症候群・脊柱管狭窄症等の頑固な痛み・下肢血行障害)に効果があるといわれている。
具体的には、脊椎の硬膜外腔に電極を、腹部に刺激装置を埋め込み、弱い電流を流して脳への痛み刺激を減弱させる。薬剤を使用せず自身で調整できるため、副作用がなく鎮痛薬等も減量できるなどのメリットがある。
試験留置を含めた小手術を行うため、1~2週間の入院を必要とする。


椎間板内加圧注射療法

椎間板に直接針を穿刺し、生理食塩水を注入して椎間板ヘルニアを移動・破砕ことで減圧を計り、症状を取る方法。すべてのヘルニアに効果があるわけではないものの、症状が取れるときは劇的に良くなり1日の入院で治療可能。忙しい患者や若い患者には適している。


レーザー治療

局所に低出力のレーザーを当てて血液循環を改善する。抗凝固薬を使用している患者で、神経ブロックでは出血のリスクがある患者に対して使用している。


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代表的疾患について

顔面頭部の痛み

代表的な頭痛として、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛があり、薬物療法に加えて、星状神経節ブロックを積極的に応用している。
顔面の痛みである三叉神経痛には、抗痙攣薬が特効薬だが副作用があったり服用期間が長くなったりするような場合は、三叉神経ブロックが適応になる。高周波を利用した場合、その効果は1年以上持続する。


帯状疱疹

激痛が長期間続き、手遅れになると治療も非常に難しい。神経ブロックをできるだけ早期に始めることを推奨する。


頚肩腕痛

変形性頚椎症、頚椎ヘルニア、外傷背頚部症候群などに対しては薬物療法に併用する星状神経節ブロックが良い適応になる。


腰痛症・下肢痛

椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、脊柱管狭窄症など痛みに対しては、薬物療法と共に硬膜外ブロックや神経根ブロック等が適応になる。同時に積極的なリハビリテーションが必須である。硬膜外ブロックの利点は適応範囲が広く、通常5-10回を目安に治療を行い、効果を評価する。


顔面の麻痺や痙攣

痛みの疾患ではないが、末梢性の顔面神経麻痺(ベル麻痺やHunt症候群)には星状神経節ブロックが有効である、片側顔面痙攣に対しては顔面神経ブロック療法が有効である。


上下肢血行障害

Raynaud病、Burger秒などの血行障害に対しては星状神経節ブロック、硬膜外ブロック、頬部・腰部交感神経節ブロックなどの神経ブロックが良い適応になる。


がん性疼痛

まずはWHOが推奨する疼痛管理法を用いるが、対応しきれない痛みの場合は、内臓神経ブロックや持続硬膜外ブロックで痛みを抑える。これにより、在宅での疼痛管理も可能になる。


上記以外の特殊な治療法としては、「皮下埋込式硬膜外アクセスシステム」などがある。

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費用の目安

ブロックの種類で異なるが、1件あたり1,000-2,000円程度から5,000-6,000円ほど。保険診療で行う。

予防として心がけたいこと(食べ物、生活習慣、運動など)

痛みが遷延している場合、急性疼痛から慢性疼痛の状態に移行する可能性がある。それは現在の医療で、「制御可能な痛みから、制御できない痛みに移行する」ということを意味するもの。したがって、できる限り早期に痛みの経過の異変をとらえ、十分な除痛治療を行うことが重要であり、難治な痛みの予防に不可欠。 「そのうちに軽くなるでしょう」というような暖味な言葉をかけられ、いつまで経っても痛みが治まらないという患者は決して少なくないのが現実である。

※医師の不在により、拝診できない疾患・疾病がある場合もございます、あらかじめご了承ください。
なお、ご来院の際にはコールセンターにてご予約および診療内容をご確認の上、ご来院頂くことをお勧め致します。