大腸がん|外科・消化器外科|新百合ヶ丘総合病院

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外科外科・消化器外科


大腸のしくみ

大腸の太さは小腸の約2倍位ありますが、長さは1.6m程度で小腸よりは短い腸管です。さらに盲腸、結腸、直腸に分けられます。小腸までで消化され、栄養素を吸収された食物は大腸へと送られます。
この大腸には消化機能はほとんどなく、水分を吸収して糞便を形成します。糞便は結腸から直腸へと送られます。直腸内に糞便が溜まり、その中の圧が高まると便意が起こります。
健康な大腸は、腸内で「ぜん動運動」といってギュッと強く縮んでは緩む動きを繰り返すことで、便をスムーズに送り出していきます。


大腸のしくみ


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大腸がんとは

大腸がんは、長さ約2mの大腸(直腸、S状結腸、上行結腸、横行結腸、盲腸、下行結腸)に発生するがんで、日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいとわかっています。

また、大腸粘膜の細胞から発生し、腺腫(せんしゅ)という良性腫瘍の一部ががん化して発生したものと正常粘膜から直接発生するものがあります。その進行はゆっくりです。大腸がんは、粘膜の表面から発生した後、大腸の壁に次第に深く侵入していき、進行するにつれてリンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移します。

大腸がんの発生率


大腸がんにかかる割合(罹患率)は、50代から増え始め、高齢になるほど高くなり、1990年代前半まで増加し、その後は横ばいの傾向にあります。大腸がんで亡くなる方の割合(死亡率)については、1990年代半ばで増え始め、その後は少しずつ減る傾向にあり、男女とも、死亡率は罹患率の約半分であり、生存率が比較的高いことと関連しています。


罹患リスク・死亡リスク


臓器別がん死亡者数 2010年
臓器別がん死亡者数 2010年:
出展-独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター


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大腸がんにかかりやすい人

大腸がんになりやすい体質の人は、腸に良性であってもポリープのできたことがある人や、潰瘍性大腸炎になったことのある人、もしくは親族が大腸がんにかかったことのある人は、大腸がんなりやすいです。遺伝が原因となる遺伝子も特定されていますので、希望すれば遺伝カウンセリングを受けた後で、遺伝子検査を行うことも可能です。

生活習慣では、肉類など動物性脂肪を好み、野菜をあまり食べない人は大腸がんになりやすく、肥満や運動不足、過度の飲酒や喫煙習慣のある人も要注意です。

どのようながんでも、加齢にしたがって発症率は上がりますが、大腸がんについては40歳から患者が増え始め、50歳以上でハイリスク、60代でもっともピークと、発症年齢でいうとやや遅めとなっています。 また、一般的に30代までの若年層では少ないのですが、まったくゼロというわけではありませんので、特に遺伝的な要素の強い人では、若くても大腸がんにかかる可能性は高くなります。


大腸がんの初期症状として


といった症状はもちろん、あまりにしつこい便秘が続く場合も、念のため受診することをおすすめします。
大腸がんの罹患率の男女比は、5:4で男性のほうが多く大腸がんを発症します。
この比率は、アルコールやタバコを常飲するのが男性のほうが多いという理由も考えられますが、女性においても死因の第1位が大腸がんになっていますので、決して油断はできません。

特に女性では若いころから便秘で苦しむ人が多いものです。長期間の便秘は腸内環境を悪くしますので、それだけ大腸がんのリスクも上がってしまいます。早期発見のためにも毎年定期検診を受けるようにしましょう。

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大腸がんの発生

大腸がんは、大腸の内側の表面にある粘膜に発生します。最初のうちは粘膜の表面にとどまっていますが、がんが大きくなるにつれて、大腸の壁の奥深くへと食い込むように広がっていきます。少しずつ大腸の壁に食い込んでいき、破壊しながら大きくなっていく状態を「浸潤」といいます。

また、がんが大腸の壁に深く食い込んでいくにつれて、大腸の壁の中にあるリンパ管や血管にがん細胞が入りこんできます。そこから、がんがリンパ節やほかの臓器に転移を起こすようになるのです。


ステージの種類 内  容 深達度による分類
ステージ0 がんが粘膜の中にとどまっている。 ステージ0
ステージⅠ がんが大腸の壁にとどまっている。 ステージ1
ステージⅡ がんが大腸の壁の外まで浸潤している。 ステージ2
ステージⅢ がんがリンパ節に転移している。 ステージ3
ステージⅣ 遠隔転移(肺や肝臓に転移)
または、腹膜播種がある。
ステージ4

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大腸がんの検査

大腸がんの発見に関しては、便に血液が混じっているかどうかを検査する便潜血検査が有効であり、症状が出る前に、検診などでの早期発見が先決です。早期に発見できればがんを完全に取り除ける可能性が高くなります。


検査項目 内  容
直腸指診 指を肛門から直腸内に入れて、しこりや異常の有無を指の感触で調べます。
注腸造影検査 検査の前日に検査食を食べて腸内をきれいにし、肛門からバリウムと空気を注入しX線写真を撮ります。この検査でがんの正確な位置や大きさ、超の狭さの程度などが分ります。
大腸内視鏡検査 腸内をきれいにし、先端にライトとカメラレンズ(ビデオスコープ)のついた内視鏡を肛門から挿入して、直腸から盲腸までの全大腸を詳細に調べます。ポリープなどの異常(病変)が見られた場合は一部組織を採取して(生検)悪性か良性かを鑑別したり(病理検査)、内視鏡で根治可能な早期がんと手術が必要な病変との判別も行います。
腫瘍マーカー 腫瘍マーカーとは、体のどこかにがんが潜んでいると異常値を示す血液検査の項目のことです。がんの種類に応じて多くの種類があり、転移・再発の浄化指標として、また治療の効果判定などのためにも用いられています。大腸がんではCEAとCA-19-9と呼ばれるマーカーが一般的です。しかしこれらの腫瘍マーカーで大腸がんを早期に発見することはできず、進行大腸がんでも異常値が認められない場合もあります。腫瘍マーカーは定期的に測定して判断することが必要です。
超音波検査 大腸がんと周囲の臓器の位置関係、がんの転移の有無を調べます。
CT,MRI検査 治療前に転移や周辺の臓器へのがんの広がりを調べるために行う検査です。CTはX線をMRIは磁気を使って体の内部を検査します。
PET検査 ブドウ糖に似た物質に放射性のフッ素を含む薬剤を注射し、その取り込みの分布を撮影することで全身のがん細胞を検出するのがPETです。超音波検査、CT、MRIや病理検査で診断が難しい場合、腫瘍マーカーなどの異常から転移や再発が疑われる場合などには、PETで検査することもあります。

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大腸がんの治療

内視鏡治療

スネア

1)内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)
茎のあるポリープを認めた場合、スコープを通してスネアとよばれるループ状の細いワイヤー(針金)を、茎の部分に引っかけて締めて高周波電流で焼き切ります。


2)内視鏡的粘膜切除術(EMR)
平坦なポリープや腫瘍の場合は、ワイヤーがかかりにくいため、病変の下層部に生理食塩水などを注入して粘膜を焼き切ります。


外科治療(手術)

開腹手術
大腸がんの治療は、手術による切除が基本であり、早期でも手術が必要な場合があります。がんのある腸管とリンパ節を切除します。がんが周囲の臓器に及んでいる場合には、それらの臓器も一緒に切除します。
直腸が骨盤内の深く狭いところにあり、そのすぐ周囲には神経や筋肉があるため、切除する範囲によってはがんと一緒に神経や筋肉を切除します。そのため、排便、排尿、性機能に障害が起きることがあります。進行度によっては、神経や筋肉を残す方法(自立神経温存術、肛門括約筋温存術)が可能な場合もあります。

腹腔鏡手術
お腹に小さな孔をつくり、そこから小型カメラと切除器具のついた腹腔鏡を入れ、画像を見ながらがんを摘出する腹腔鏡手術という方法があります。


大腸がんの初期症状として


放射線治療

放射線治療は、高エネルギーのX線を体の外から照射してがんを小さくする効果があります。直腸がんでは、手術前後の補助治療として、「骨盤内からの再発抑制」、「手術前のがんのサイズの縮小」や「肛門を温存すること」などを目的として放射線治療を行う場合があります。また、切除が難しい骨盤内のがんによる痛みや出血などの症状緩和、骨転移による痛みや、脳転移による神経症状などを改善するためにも行います。

抗がん剤治療(化学療法・分子標的治療)

抗がん剤治療は、主に「手術後のがん再発を予防するための補助治療として」と「根治目的の手術が困難な進行がんまたは再発がんに対して延命および生活の質の向上」を目的に行います。最近は、大腸がんに有効な抗がん剤がいくつか開発されており、患者さんの症状に合わせて数種類の薬剤を組み合わせて使用したり、単独で使用したりします。

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当院での大腸癌治療

大腸癌は、早期の段階で発見できれば、高い確率で治せる病気です。 しかし、早期の段階では症状を自覚することがほとんどないため、発見が遅れることがあります。 「どこも悪くないから、自分には関係ない」と考えるのではなく、「どこも悪くないけれど、がんが隠れているかもしれない」とう言う意識を持って、大腸癌検診を受けることが大切です。

当院では、十分に麻酔を用いて、苦痛の少ない内視鏡検査も行っており、開腹手術、腹腔鏡手術それぞれのメリット、デメリットを十分に考慮しながら、患者様一人一人の状況を考えて、腹腔鏡手術も積極的に行っており、また術後の抗がん剤治療も行っております。