ホーム 各科紹介 整形外科 主な病気の解説 ひざの機能障害(スポーツ障害)

各科紹介

整形外科 ひざの機能障害(スポーツ障害)

膝関節の怪我(主にスポーツ障害を中心に)

膝の構造


半月板損傷(半月板断裂)

構造:半月板は、大腿骨と脛骨の間の内側と外側両方にあり、三日月状の形をしています。膝の安定性や衝撃吸収などの役割を担っています。

受傷機転:主にスポーツ中が多く、膝をねじったり無理な負荷がかかったときなどに起こります。また靭帯損傷と合併することもあります。

症状:受傷直後は腫れや痛みがあり、その後も膝がひっかかるような感覚を自覚したり、膝が伸びない、曲がらない、動かした時に音が出る、などの症状があります。

診断:受傷機転、徒手検査などの診察とレントゲン(骨折の合併がないかどうかの確認)とMRI検査を施行し、確定診断します。ただ半月板に損傷があるから手術が必ずしも必要になるわけではありません。保存治療でも改善せず痛みや機能障害が続き、日常生活やスポーツ活動などが著しく障害される場合、手術が必要になります。

半月板損傷の治療:関節鏡を用いた手術により断裂した半月板の状態を確認し、損傷し縫合が不可能な部分は切除しますが、正常部分はできるだけ残します。縫合が可能な場合は、できる限り半月板縫合術を行っております。部分切除のみの場合は、術後すぐに歩行を開始できますが、縫合した場合は数週間は松葉杖歩行とし徐々に荷重(足に体重をかけていく)していきますので治療期間は長くなります。


半月板断裂(関節鏡写真)

半月板縫合(関節鏡写真)


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前十字靱帯損傷

構造:前十字靱帯とは膝の中央付近に位置する靭帯であり、主に脛骨(すねの骨)が前方に動くのを制動する強力な靭帯です。

受傷機転:主にスポーツ中が多く、ジャンプの着地や切り返しの動作などで受傷することが多いです。また接触によっておこることもあります。

症状:受傷直後は腫れや痛みが強いですが、数週間で歩行も可能になり日常生活もできるようになります。ただその後も「膝がぐらぐらする」、「膝が抜けるような感じがする」など膝の不安定感、膝くずれを自覚します。
そのままでも日常生活は可能ですが、そのまま放置しておくと、膝くずれ(膝がガクッっとずれる)を繰り返し、それによって徐々に関節の軟骨や半月板などの正常組織が損傷する恐れがあります。ですので、膝の不安定感や膝くずれを自覚する人には再建術などの手術をお勧めします。

診断:受傷機転、徒手検査などの診察である程度は診断がつきます。その上でレントゲン(骨折の合併がないかどうかの確認)とMRI検査を施行し、確定診断します。

MRI(正常)

MRI(断裂)

治療:関節鏡を用いた手術により断裂した靭帯を、自家腱(患者さん自身の他部位からとった腱)を使用して再建します。当院ではハムストリング(膝を曲げる腱)を採取して再建靭帯とし、骨に掘ったトンネルに再建靭帯を通し、金属製の固定具で固定します。入院は2週間程度、半月板を同時に縫合した場合は、もう少し入院期間が延びることがあります。その後は通院、リハビリテーションをし、スポーツ復帰時期は筋力の回復具合により差はありますが9カ月程度で競技復帰(競技内容によりますが)を許可しています。


前十字靱帯


また、前十字靱帯損傷や半月板損傷がある中高年の方で、今後もスポーツを楽しみたいという方の場合、前十字靱帯損傷だけではなく、軟骨が痛んでいたり、加齢性変化やO脚変形などをもとなっている方がいます。

当院ではそのような状態でも、高位脛骨骨切り術を併用した前十字靱帯再建術等も行っておりますので、ぜひご相談ください。

前十字靱帯再建術

膝蓋骨脱臼

病態:膝蓋骨(お皿の骨)が、本来の位置(膝の正面)からずれる(脱臼)することです。原因は外傷(スポーツなど)が多く、比較的若い女性に多い疾患です。もともと膝蓋骨が脱臼しやすい素因(大腿骨の溝が浅い、膝蓋骨の形状、膝全体の角度など)がある方に起こりやすい傾向にありますが、素因がなくても強い外力で脱臼する場合もあります。

治療:基本的に初回脱臼の場合は脱臼整復後に固定(ギプスやサポーター)し保存的に加療することが多いですが、骨折や軟骨損傷が伴っている場合は手術が必要な場合もあります。 膝蓋骨反復性脱臼(何度も脱臼する)や、不安定感(膝蓋骨が脱臼しそうな不安感が強い)があり日常生活に支障がある場合、手術を検討することがあります。
手術はまず脱臼する素因について十分に検討し、必要に応じて脛骨粗面移動術(膝蓋骨の付着部を骨切りをして移動させる方法)や内側膝蓋大腿靭帯再建術(MPFL再建術)などを施行します。

※一概に膝蓋骨脱臼でも病態はさまざまでありまずはご相談ください。

大腿骨の溝と膝蓋骨の適合性が悪い状態(関節鏡写真)

手術後、適合性が改善した状態(関節鏡写真)