栄養管理科コラム
あなたの食物繊維摂取量は足りていますか?
2019/2掲載
食物繊維の作用
皆さんがよく聞く「食物繊維」は食べても消化・吸収されることはありません。しかし腸内細菌による分解や発酵を経てエネルギー源になったり、生活習慣病の発症予防などの生理活性作用があります。
食物繊維 どんな効果が期待できますか?
- ①【動脈硬化予防】食物繊維は脂質やコレステロールの吸収を抑えます。動脈硬化を予防することで、心筋梗塞の予防にも繋がります。
- ②【糖尿病予防】食物繊維を摂ることで、食後血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの急激な分泌を緩和させることに役立ちます。
- ③【肥満予防】食物繊維が多い食品はよく噛むことで満腹感が得られ、食べ過ぎを防いで肥満予防に繋がります。
食物繊維をしっかり摂る工夫とは?
毎日のお料理に根菜類、豆類、きのこ類を大いに活用しましょう。
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①主食を食物繊維の多いものに変えるか、プラスしましょう。
※【】内は含まれる食物繊維量
例:ご飯150g(0.5g) → 押麦ご飯 (米5:押麦1の割合) 150g 【1.2g】
食パン6枚切1枚(1.4g) → 全粒粉(全粒粉50%)食パン6枚切【3.3g】 -
②食物繊維の多い野菜を汁物で摂りましょう
例:野菜のポタージュ:小松菜やカリフラワーを出し汁で煮て、豆腐と白味噌を加えてミキサーにかけ和風ポタージュ
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③根菜類の常備菜を使ってアレンジレシピをご紹介します。
例:人参、れんこん、ごぼうの金平を肉で巻いて焼く。同じ金平を細かく切りつくねの具材にする。 - ④豆類の水煮を使ってアレンジレシピをご紹介します。
例:大豆、ひよこ豆、キドニービーンズの水煮をサラダやコロッケの具材にする。
- ⑤きのこ類の常備菜を使ってアレンジレシピをご紹介します。
*常備菜:きのこの甘酢煮~きのこ類の石づきを取り薄切りにする。油でいためて酢、醤油、みりん、砂糖を加えてひと煮する。
*アレンジ:これを白身魚や鮭、鶏肉等のきのこソース、パスタのソースに。
いろいろ工夫して、毎日の食事から食物繊維を積極的に摂りいれましょう。
身体に役立つ知識:小松菜の栄養
ハウス栽培が盛んなので通年出回っていますが、旬は12月~2月です。江戸時代にアブラナとかぶの交配により作られ、栽培場所が南葛西の小松川(現在の東京都江戸川区周辺)からから命名されました。また将軍に気に入られ、献上する際土地の名前を冠したとも言われており、当時から江戸庶民に親しまれていました。栄養は、皮膚や粘膜を保護し免疫力を高める「β-カロテン」、血液凝固因子やカルシウム結合タンパク質の生成に必要な「ビタミンK」、骨や歯の材料になり神経の働きを助ける「カルシウム」、取りこんだ酸素を全身に供給するヘモグロビンの材料になる「鉄分」が豊富です。
【新百合ヶ丘総合病院 ある日のお食事】